こんにちは!フィンランド在住のみんみ(@mimmi_nurinpain)です。
当ブログではエコやフィンランド情報をお届けしています。
今回は、フィンランドのお酒事情について紹介します。
フィンランドのお酒事情
世界には様々なエリアがあり、それぞれアルコールに対する考え方は違います。
フィンランドはどうかと言うと、お酒は身近な飲み物として存在しています。
ぶっちゃけ、飲むのが好きな人達です(笑)。
フィンランドには「サウナ、お酒、タールで治らないなら、死に至る病*」なんてことわざあります。
*Jos ei sauna, viina ja terva auta, niin tauti on kuolemaksi.
フィンランド人にお酒にまつわる話を聞くと、「こいつら相当飲んでるな」という印象を受けたりもします。
- 修学旅行の引率の先生が酔っ払い、保護者とケンカ
- 酔った勢いで、ビール瓶を壁に投げつけたらバーから追い出された
- 人の家で漏らしてしまった
などなど。
引くストーリーも多いです(笑)。
お酒を飲まない人もいる
もちろん、みんなが呑兵衛ではありません。
フィンランドのアルコール消費量は減っているというデータもあります。
宗教的な理由でお酒を飲まない人もいます。
たとえばレスタジオライネンと呼ばれるキリスト教の一派の方々。
またイスラム教を背景に持つ人もお酒を飲みません。
お酒を飲む機会
フィンランド人はいろいろなシチュエーションでお酒を飲みます。
日本と似ていて、おもしろいです。
- 家でまったり
- 週末にゆっくり
- イベントやパーティー
- 季節の行事
- 冠婚葬祭(お葬式では飲まないかもしれません)
サウナに入る時もお酒を飲みます。
フィンランドにも「会社の飲み会」はある?
日本の企業では、社員の親睦を深めるために飲み会が開かれたりします。
フィンランドにもこの習慣はあるのでしょうか?
結論から言うと、日本のような飲み会はほとんどありません。
飲み会=友達と開くものです。
ただ、クリスマス前に行われる「Pikkujoulu(ピックヨウル/小さいクリスマス)」というイベントは別。
会社がお酒や食べ物を用意するパーティーで、日本の飲み会と似た雰囲気があります。
会社のピックヨウルで飲みすぎて大失敗、という話も聞きます(笑)。
話はずれますが、フィンランドはお酒にかかる消費税(付加価値税)は24%です。
日本で買うよりお酒は高いです。
バーで飲むとさらに値段が釣り上がります(1杯1000円とか)。
会社がお酒を支給するピックヨウルでは「タダだから!」と飲みすぎてしまう傾向があるようです。
酔っぱらいが大量発生する日がある
フィンランドでお酒を飲む機会と言ったら、必ず言及しなければいけない行事があります。
5月の学生のお祭りvappu(ヴァップ)です。
フィンランドで最もお酒が飲まれるイベントと言えるでしょう。
ヴァップでは、学生団体が街を舞台にしたオリエンテーリングを企画し、大学生がアルコール片手に参加する習慣があるからです。
イベントに先立ち、0次会、二次会などが行われ、街中がお祭り騒ぎになります。
この日、街にはアルコールの空き缶や瓶あふれ、観光客はビックリするはずです。
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アルコールの空き缶、空き瓶の行末
ところで、道にポイ捨てされる空き缶や空き瓶、日本だと「けしからん!」…ですよね?
しかし、フィンランドはこの缶やビンをお店に持って行くと、お金に替えてくれるシステムがあります。
もとの金額に容器代が含まれており、容器を返却するとお金が返ってくるデポジット制。
額はだいたい↓こんな感じ。
- 缶…15セント
- ペットボトル…20セント
- 瓶…10セント
そのため、だれかが道に空き缶をポイ捨てしてもすぐ回収されていきます。
お金が道に落ちているようなものですからね。
学生イベントの会場の前に、空き缶回収用の袋を持って待ち構えている人もいます。
ポイ捨てはダメですが、捨ててすぐ回収されるのは良いシステムです。
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お酒は公共の場所で飲んで良いの?
ヴァップには酔っ払いが街に溢れると書きました。
しかし、実はフィンランドでは公共の場所でお酒を飲むことは法律で禁止されています。
と言っても、ヴァップの時に限らず、街に行くと「あそこに飲んだくれてるオッチャンがいるけど逮捕されないの?」と思ったりします。
禁止はされていますが、警察はちょっと飲んでいる位では逮捕しません。
ピクニックで酒盛りする程度なら大丈夫です(オススメはしてませんよ)。
ただし、迷惑行為をしていたり、騒音を立てているグループには解散を促されます。
厳しい年齢チェック
フィンランドでは18歳からお酒が飲めますが、18歳未満の人はお酒を買うことも許されません。
そのため、お酒を買う時に身分証明書を見せろと言われる時があります。
飲む予定はなくても、クラブやディスコには身分証がないと入れない場合もあります。
ここで身分証を提示できないと売ってもらえません。
これが厳しく、「私が18歳未満な訳ないでしょう!?顔見て!?」と言ってもムダ。
身分証を持ってお酒を買いに行くことをおすすめします。
使える身分証は決まっている
身分証のチェックも厳しいです。
年齢が解るだけでなく、フィンランド発行の公的なもの、EUのもの、写真付きのもの…と細かいルールがあります。
- 公的な身分証明書
- 運転免許証
- 公的に認められた書類
「そんなの持ってないよ?」という人はパスポートを持って行くしかありません。
- 在留許可証
- 社会保障カード
- 学生証
余談になりますが、学生イベントの入り口で友達と警備員のこんなやり取りを見たことがあります。
警備員「君のIDカード、有効期限が切れてるから入場できないよ」
友達「期限切れは気づきませんでした。でも、年齢が解るでしょ?」
警備員「このIDじゃダメ」
友達「でも私が18歳以下に見えますか?どう見ても20過ぎでしょう?」
警備員「ダメ。ちゃんとしたの家に取りに帰って」
友達「家が遠いんだけど」
警備員「ダメ」
きびしいでしょ?
ちなみに、友人はイベント会場のめっちゃ近くに住んでました(笑)。
売ってもらえない場合もある
年齢や身分証が出せない場合以外にも、次のような人には売ってもらえません。
- 酔っ払っている人
- 迷惑行為をする人
- 未成年や酔っ払っている人の代わりに買うと疑われた人
これに当てはまる人は滅多にいないでしょうが…。
ところで、小売店では朝9時から夜の21時までの間しかアルコール販売ができません。
21時を過ぎると、陳列してあってもレジで「あー残念、時間過ぎちゃったから売れないのー」と言われてしまいます。
年齢確認をされて証明できなかった場合、一緒にいる人に代わりに買ってもらうこともできなくなるので注意。
たとえ一緒にいる人が成人でIDを持っていても、「年齢が確認できなかった未成年かもしれない人にお酒を渡す可能性がある」と考えられるからです。
深刻なアルコール依存症も
一方、アルコール依存症は大きな問題でもあります。
フィンランドには40万人のアルコール依存症患者がいると言われています。
フィンランドの人口が550万人ですから、この数字は気になるところ(汗)。
国際的に見てずば抜けて多い訳ではありませんが、少ないに越したことはありません。
え?それってお酒として飲めるの?
最後にアルコール依存症で思い出した話をひとつ。
私が病院で働いていた時のこと。
待合室から手の消毒液がすべて撤去されたことがありました。
「部外者がコップを持って消毒液を取りに来ていたから」という理由でした。
「まさか消毒液を飲むなんで!」と思ったのですが、警察密着ドキュメンタリーに消毒液を盗んだ酔っぱらいが出てきました
依存症の怖さを感じるストーリーでした。
以上!
他にも思いついたら、内容を足していきますね。
フィンランドに興味を持ってもらえたら嬉しいです。