フィンランドですべきでない10+1のこと【マナーと文化の違い】

フィンランドでするべきでない10+1のこと

tripsavvyというサイトに「フィンランドですべきでない10のこと(10 Things Not to Do in Finland)」という記事が載っていた。

マナーを知る上で役に立つだけでなく、文化の違いという点でも面白かったので、引用してご紹介しよう。また私が思っている「すべきでないこと」を1つ加えてみた。

フィンランド人と交流のある人は読んでおけば無駄な失敗を防げるかも?

元記事はこちら→ 10 Things Not to Do in Finland

フィンランドでするべきでない10のこと

※以下の内容は原文の意訳。説明は私のコメントである。詳しくは元記事をご覧ください。

1  話しを妨げない

聞き役に徹しよう

1 Don’t Interrupt a Conversation(話しを妨げない)

フィンランド人は相手の話を最後まで静かに聞く。途中で割り込んで来る人もいるが、相手がしゃべっている間は、聞き役に徹するのがマナー。

Think of it as a valuable skill to learn—to listen with the intent of understanding instead of responding.

「相手に返答することでなく、相手の話を理解しようという気持ちで聞くことを、学ぶべき価値のあるスキルと考えましょう。」というのは、日本でも使える素晴らしいアドバイスだろう。

ただフィンランド人は静かに話を聞く分、相槌が日本人に比べて少ないので戸惑うことがある。移住したての頃は、相手があまりにノーリアクションなので「私のフィンランド語解る?退屈じゃない?」などとよく聞いていた。逆に私の相槌が多すぎて、話しにくそうな顔をされたことも。

どこかで読んだのだが、国によっては「日本人は話を遮る」というステレオタイプがあるようだ。もしかしたら相槌が多すぎることで誤解を招いているかもしれない。

フィンランド人と楽しく会話する方法フィンランド人と話す時に気をつけている3つのこと【在住7年目は語る】

2  フィンランドと他の国を比べない

スウェーデンと間違えないように

2 Don’t Compare Finland to Other Countries(フィンランドと他の国を比べない)

スウェーデンやロシアに支配されていた苦い歴史があるフィンランド。そのため独立国であることに誇りを持っている。他のヨーロッパ諸国(特にスウェーデン)と一緒くたにしないよう気をつけたい。

記事によると「ロシアの統治下だったてことは、フィンランドも昔は共産主義だったの?」と会話をはじめるのも辞めた方がいい、とのこと。確かに余計な問題を避けるためにも、ネットで調べれば分かる歴史や政治について質問するのは控えよう。

国の歴史、文化を学び、「無知な外国人」にならないこと。

まあ、ほとんどのフィンランド人はスウェーデンやロシアと一緒にされても、自虐ギャグにしたり、普通に「違うよ」って言うだけだと思うけどね。

3 チップは不要

チップ

3 Tip Less (チップはいらない)

フィンランドにはチップの制度がない。レストランでもホテルでも、日本と同じようにお会計だけすればOK。レジの横に「Tip」と書いた空き瓶を置いている店もあるが、気にする必要はない。

フィンランドはクレジットカード社会なので、そもそも現金を持ち歩く人が少ない。私もたぶん半年以上、ロッカーにコインを入れる以外、現金を使っていない。

そういえば夫がアメリカ出張から帰って来た時、「ぼくはアメリカのチップ制度が大嫌いだー!日本はチップがなくて最高!」と叫んでいた。気持わかるぞ(笑)。小額紙幣を持ち歩いたり、計算するの面倒だよね…。

フィンランド旅行で使える7つのプチ節約術フィンランド旅行で使える!7つのプチ節約術【現地でムダなお金を使わない】

4 自慢しない

高級車

4 Don’t Brag(自慢しない)

自慢話はどこの国でも嫌われるが、特にフィンランドではNG。「私ってすごいでしょ!」とグイグイ行くよりは、謙遜な振る舞いがグッド。

ただ日本とフィンランドの「謙遜」は似ているようで違う。日本は「自分を下げて言う(へりくだる)」ことも謙遜に含まれているが、フィンランドでは「へりくだる」ことはあまりしない。自虐ネタはあるかもしれないが。

また「出来の悪い女房で」とか「うちのバカ息子が」と身内を卑下する発言は、相手をビックリさせてしまうので言わない方がベター。

5 サウナは裸で入る

サウナ

5 Don’t Wear Clothes in the Sauna(サウナでは服を着ない)

基本的にサウナは裸で入る。テレビや雑誌では水着を来ている人を見るが、あれはメディア用。タオルを持っていって、またの上にかける位だろうか。温泉と同じようなものだ。

なお、プールに併設されたサウナでもサウナ内は水着禁止。プールの塩素が蒸発して危険とか、汗を吸った水着で泳がれるとプールの水が汚れるなど、いろいろ理由があるらしい。ルールがよく解らなければ施設の人に聞くと良いだろう。

記事では「家族以外で男女が一緒にサウナに入ることはない」と書かれているが、友だち同士ならパーティで一緒に入ったりする。夫は友だちの家で女の子と一緒にサウナに入ったことが何度かあるらしい。だれもジロジロ見ないというからサッパリしてて良いなと思う。

6 公共の場所でイチャつかない

スキンシップ

6 Limit Public Displays of Affection(公共の場所でイチャつかない)

フィンランドでは人前での愛情表現はほどほどに。「ヘルシンキであって、イタリアではありません。」…だそうだ。

夫に聞いたところ「人前でパートナーにベタベタ触ったり、あんまりキャッキャッ(はーと)しなければ大丈夫」とのこと。手を繋いだり、ちょっとキスするくらいなら、ぜんぜん許容範囲だろう。

特に若い人は割とオープンな印象があって、人前でキスする様子は何度か見かけたことがある。

フィンランドの恋人たちに見る文化の違い-人前でキスやハグはOK?

あまり神経質にならずフィンランドのロマンチックな雰囲気を楽しもう。そもそも、日本人は心配いらないか。

7 訪問の際は前もって連絡する

スケジュール

7 Don’t Show Up Unannounced(アポなしで現れない)

誰かを家を訪ねるのは、招待されている時か、前もって予定されていた時だけ。突然の訪問は歓迎されないので気をつけよう…ってこれも日本も同じ。

まあ、地方によって違いはあるかもしれませんが。

またフィンランド人は時間にはキッチリしているので、こちらも時間を守ろう。

8 土足のまま家にあがらない

靴下

8 Don’t Leave Your Shoes On(土足のまま家にあがらない)

これも日本と一緒!フィンランドの家庭では、玄関で靴を脱ぐのが一般的。玄関先(と言っても、きっちりした境界はない)にマットが敷いてあるので、靴はその辺りに置く。解らなかったらお家の人に聞こう。

でも「忘れ物~」とか「ちょっとトイレ~」とか言って、靴のまま家に入っていくフィン人はよく見かける。私もそれに慣れて、家の中を普通に土足で歩き回るように(汗)。

9 フィンランドのアイスホッケーチームにはコメントしない

ホッケー

9 Don’t Comment on the Finnish Ice Hockey Team(フィンランドのアイスホッケーチームにはコメントしない)

フィンランドのアイスホッケーチームにはコメントしない…それが褒め言葉でない限り。記事にはスウェーデンのチームにもコメントするなと書かれている。

アイスホッケーはフィンランドで最も人気のスポーツ。どの国のチームと対戦しても、フィンランド人サポーターの応援は力強いものがあるが、長年スウェーデンの支配下にあった恨み(?)からスウェーデン戦は特別な盛り上がりを見せる。

「あいつらだけには負けらんねぇ!」というライバル心が燃え上がるだろう、不用意な発言で彼らを刺激しないようにしましょう…というわけ。

10 ノルディックウォーキングをしている人をジロジロ見ない

10 Don’t Stare at Nordic Walkers(ノルディックウォーキングをしている人をジロジロ見ない)

Nordic Walkers near Ilkley 020
Malcolm jarvis [CC BY-SA 3.0 or GFDL], from Wikimedia Commons

ノルディックウォーキングはスキーのストックのような2本のポールを持って歩くエクササイズ。もともとクロスカントリーの選手がシーズンオフ中の運動に始めたそうだ。フィンランドでは年配者に人気。


参考
ノルディックウォーキングとは?ノルディックウォーキング協会

When you see locals taking to the streets in exaggerated movements, armed with ski poles, don’t stare and point or think that the world has gone mad.

「道でスキーのストックを持って大げさな動きで歩いている現地人がいても、ジロジロ見たり、指さしたり「世界が狂ってしまった」と思わないこと。」(笑)

ウォーキングは足腰が鍛えられるが、腕の振りに合わせてストックを地面に突いて歩くことによって、上半身も鍛えることができる。

健康に良いのに、少し滑稽に見えるのがノルディックウォーキングの残念なところ。夏には「季節を勘違いした人がスキー板なしでスキーをしようとしてる」ように見える。

私は一度だけやったことあるが、どうしても腕と足が一緒に出てしまい同行者に笑われた。

ただ滑りやすい雪道もストックがあれば安心して歩けるのは良い。冬の運動不足解消にはピッタリだろう。


以上10項目!

日本のマナーが身に付いていれば、問題なさそうなことばかりだ。しかし、なにか新しい発見があったら嬉しい。

最後に私のルールを一つ加えたい。

+1 タトゥー(刺青)=やくざ、不良と思わないこと

タトゥー

フィンランドではタトゥーが大流行している。

若者だけでなく、タトゥーを入れている真面目そうなオジサマ、オバサマもよく見る。もはやファッションの一部と言っていい。

公務員も、医者も、テレビに出る人も関係なく、自分がタトゥーを入れたければ入れるのがフィンランド人。文化的背景がちがうのでどうこう思うわけではないが、日本はちょっと厳しすぎる気がする。

日本で介護士学校の生徒がタトゥーを理由に退学になった事件があったが、フィンランドだったらたぶん先生がタトゥーしてる(笑)。

それに「すっごいタトゥー!不良!」と思ってた兄ちゃん、姉ちゃんがものすごい親切だったりする。フィンランドではタトゥーに対する先入観はリセットした方がいいかも。

ただ医者の腕に「死神」とか彫ってあったら嫌かもしれない(笑)。


以上、「フィンランドですべきでない10+1のこと」でした!

ではまた~