映画『かもめ食堂』でフィンランド語を学ぶ②ーコピ・ルアックは魔法の言葉

映画「かもめ食堂」でフィンランド語を学ぶ第2回

映画『かもめ食堂』でフィンランド語を学ぼう! 第二弾です

フィンランド語の知識はいりません!
映画に出てくる言葉を楽しく学びましょう。

今回は、映画に出てくる不思議なおまじない、「コピ・ルアック」のやり取りに出てくるフィンランド語です

第一回の記事はこちら

映画「かもめ食堂」でフィンランド語を学ぶ第1回 映画『かもめ食堂』でフィンランド語を学ぶ①ー「かもめ食堂」はruokala lokki

第2回 コピ・ルアックは魔法の言葉

コーヒーをおいしく淹れるおまじない

『かもめ食堂』で印象的なシーンを聞かれたら、「コピ・ルアック」のシーンを挙げる人も多いのではないでしょうか。
かもめ食堂を訪れたフィンランド人のマッティが、サチエさんに美味しいコーヒーの淹れ方を教えるところです。

今回はこのやり取りを見ていきましょう。

マッティ : コピ・ルアック
サチエ : は?
マッティ : おまじないだよ
サチエ : コピ・ルアック

短いのに印象的です。
フィンランド語ではこのように話しています。

マッティ : Kopi Luak(コピ ルアック)
サチエ : Mitä?(ミタ? / は?)
マッティ : Taikasana(タイカサナ / おまじないだよ)
サチエ : Kopi Luak(コピ ルアック)

コピ・ルアックってなに?

Paradoxurus hermaphroditus feeding

ルアック

まずコピ・ルアック(Kopi Luak)について考えてみましょう。

これはフィンランド語ではなくコーヒーの名前です
映画の後半でこのように説明されています。

  1. ルアックという小動物が甘みの多いコーヒーの実だけを選んで食べる
  2. コーヒーの実がお腹の中で生成される
  3. 豆が糞になって出てくる
  4. それがコーヒー豆、コピ・ルアックになる

※ルアックとルアク、両方の表記があります

希少なことから、高級コーヒー豆として高額で取引されているようです。

コピ・ルアク – Wikipedia

余談ですが、コピ・ルアックはジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン主演映画『最高の人生の見つけ方』にも登場します。
お金持ちのジャック・ニコルソンが愛飲する高級な飲み物という設定です。

コピ・ルアックはフィンランドのおまじない?

なお、フィンランドにはコーヒーを淹れる時に「コピ・ルアック」と言うおまじないはありません。
さらに、フィンランド人は世界でも迷信を信じない人々という調査もあります。

あれは映画のオリジナルですね。

フィンランド・森の精霊と旅をする - Tree People (トゥリー・ピープル) フィンランドの古い迷信、おまじない、精霊を紹介【森、夏至祭、熊】

「おまじないだよ」は?

次に「おまじないだよ」のtaikasana(タイカサナ)という言葉に注目したいと思います。
この言葉を分解すると以下のようになります。

taika : 魔法
sana : 言葉

つまり「魔法の言葉」=「おまじない」と言っているんですね!

taika タイカ

魔法

 

sana サナ

サナ

 

発音確認 taikasana – Google 翻訳
フィンランド語のスピーカーマークをクリック

taikaは北欧食器ブランドのイッタラにタイカというシリーズがあるので、聞き覚えがある人もいるかもしれません。
幻想的なイラストが描かれた食器で、我が家でも愛用しています。

イッタラの食器「タイカ」シリーズを8年使った感想【プレート&ボウル】

同じく北欧食器ブランドのアラビアにもタイカというシリーズがありました。
こちらはちょっと妖しげな雰囲気です。

またTaikaという名前の女の子に会ったことがあります。
一般的ではないようですが、名前に使われたりもするようです。

便利な「Mitä?」

「え?」

mitä(ミタ)に話を移しましょう。

マッティが「コピ・ルアック」と言った後、サチエさんが「Mitä?」と聞き返します。
これは「なに」という意味です。

mitä ミタ

なに、what

 

発音確認 mitä – Google 翻訳
フィンランド語のスピーカーマークをクリック

英語のwhatに当たります。
サチエさんのように「は?」とか「なに?」と聞き返す時にも使えます。

後半、みんなで海辺のカフェでくつろぐシーンでも聞くことができます。
リーサ(お酒を飲んで倒れる女性)が犬の写真を見せて、

リーサ : 似てるのよ
サチエ : は?
リーサ : あなたに

と言うところです。
サチエさんがまた「Mitä?(は?)」と聞き返してきます。

みんみ
みんみ

ネイティブが言うと「タッ?」と短く聞こえることもあるよ!

Aの上についてる点々(Ä)はなんぞや?

さて、ここでmitäのäについて説明しましょう
フィンランドにちょこちょこ登場するaの上の点々はなんだ?と気になる人もいるはずです。

フィンランド語ではAやOの上に点々がついた文字、Ä(ä)とÖ(ö)が使われます。
これはウムラウトと言われる母音です。

参考 ウムラウトWikipedia

※Üは使われません。

普通のAとOとは少し発音が違います。
発音はこちらのビデオでチェックできます。

ふつうの「あ」より口を広げて、「あ」と「え」の間のような音を出します。
この点々があるかないかで、言葉の意味が変わる場合もあるので注意しましょう。


今回はこれでお終いです。
コーヒーを入れる時は「taikasana」と「mitä」を思い出してくださいね。

第3回予告
おにぎりは日本のソウルフード

なお、映画に出てきたフィンランド人、マッティ(マルック・ペルトラ)とトンミ・ヒルトネンのその後はこちら。

かもめ食堂 「かもめ食堂」のトンミ・ヒルトネンは今。他のフィンランド人キャストも調べてみた

フィンランド語関連の記事はこちらにまとめてあります。

フィンランド語関連の記事、まとめリンク集 【初心者向け】フィンランド語関連のブログ記事まとめ

『かもめ食堂』を観る方法

『かもめ食堂』はAmazon Primeで観ることができます。

『かもめ食堂』を読む

なお、映画に関する疑問は小説版「かもめ食堂」を読むとスッキリします。
なぜサチエさんがフィンランドで食堂をできたのか、などが書かれています。


片桐はいりさんのフィンランド生活を書いたエッセーもおすすめです。
映画がどのように撮影されたかも出てきます。