フィンランドの古い迷信、おまじない、精霊を紹介【森、夏至祭、熊】

フィンランドの迷信などまとめ

この記事ではフィンランドの迷信やおまじない、精霊について紹介する

きみ

森と湖の国フィンランド。迷信がたくさんありそうだね?
そうでもないみたいよ?

みんみ

先日、ラジオ番組を聞いていたら、フィンランド人はヨーロッパで最も迷信を信じない国民と言っていた。
調べたところ、確かにフィンランド人はあまり迷信を信じないと書かれていた(少し古い記事だが)。

参考 Suomalaiset vähiten taikauskoisia EU:ssa | KotimaaKaleva.fi

 

フィンランドには魔法がたくさん出てくる叙事詩『カレワラ』があるものの、確かに迷信めいた話は聞かない。

そこで、今回はフィンランドにどんな迷信やおまじないがあるか調べてみた
廃れてしまった古いものから、現代のものまで紹介できればと思う。

では行ってみましょう!

注意
ここで紹介するのは私が個人的に情報をまとめたものです。
公式のものではありません。

フィンランドの古い迷信、まじない

森を歩く熊

歯の痛みに熊?

フィンランド公共放送のページに、廃れてしまった古いまじないが載っていたので紹介しよう。

Mielistele Mielikkiä, lepyttele Tapiota! Metsän henget päättivät ihmisen kohtalosta vielä muutama sata vuotta sitten – riskejä henkien palvonnassa ei otettu | Mennään metsään | yle.fi

  • 歯の痛みをやわらげるため、熊の爪を使う
  • 子どもの乳歯の生え変わりを助けるため、取り出した熊の食道に9回通したミルクを子どもに与える
  • Kyy(キュー)と呼ばれる毒蛇を、生きたまま丸太の穴に入れ、泥棒や事故などから住民を守る厄除けにする
  • 輪になった枝を2本揃え、恋愛や便秘を治すまじないにする

どれも荒唐無稽であるが、もっとも衝撃的なのは熊の食道を使ったものだろう。

なぜ9回なのかは書いていないが、フィンランドの精霊信仰を紹介した本『フィンランド・森と精霊と旅をする』によると、熊は9まで数えられ、9人分の力があると考えられていた。
9は特別な数字なのかもしれない。

乳歯なんて放おっておけば、勝手に抜けそうだけど…

みんみ

森の鼻、森のベール、森の乙女

古い松の木

次に『フィンランド・森の精霊と旅をする – Tree People (トゥリー・ピープル) –』という本で紹介されていた迷信を紹介しよう。

かつてフィンランドには「metsännenä(メッツァンネナ/森の鼻)」と呼ばれる病気があったそう。
これは森の精霊の怒りに感染した状態をいう。

守護霊の気分をそこねた人は、霊を失い、「森の鼻」という奇妙な病気にかかります。

不安でびくびくし、両目がうずき、肌がかさぶただらけになる奇病です。もしあなたが森でびっくり仰天させられるようなめにあったら、「森の鼻」に感染してしまったかもしれません。

「フィンランド・森の精霊と旅をする – Tree People (トゥリー・ピープル) -」P42

この治療にはtietäjä(ティエタヤ)と呼ばれる賢者/シャーマンの治療が必要だったそうだ。
もしくはleppä(レッパ)と呼ばれる木で作った人形に感染した人の血をかけ、森にささげて回復を祈った。

また「metsänpeitto(メッツァンペイット/森のベール)」という迷信もあった。
精霊の道をまたいだり、森の主/王であるTapio(タピオ)のご機嫌を損ねると異世界に連れていかれてしまう。

森はときどき人に魔法をかけます。するとその人は「森のベール(metsänpeitto)」に捉えられてしまいます。ベールの内側はあべこべの世界。太陽は西から昇って東に沈み、川は下流から上流に流れ、木のてっぺんは地にあり、人は足を天に向けて歩きます。

「フィンランド・森の精霊と旅をする – Tree People (トゥリー・ピープル) -」P42

なお、服を裏返しに着るか脱げば森のベールから逃れられる。
囚われた人を探す場合も、服を裏返したり、靴の左右を変える必要がある。

また西フィンランドのヴィリヤッカラ村では、森で猟師を誘惑する「森の乙女」と呼ばれる精霊の話がある。
人魚とかセイレンみたいだ。

本には精霊に捕らわれてしまった時の対策がくわしく載っているので、心配な人は買ってね

フィンランド・森の精霊と旅をする – Tree People (トゥリー・ピープル) –

ブレアウィッチ・プロジェクトじゃん!

みんみ

現代でも残る迷信、まじない、精霊

現代の迷信、まじない

冒頭にも述べたが、フィンランド人はヨーロッパでも迷信深くない国民である。
そのため、迷信やまじないは多くない。

あったとしても、

  • 厄除け、幸運が続くことを願って木を叩く
  • 左手が痒くなったらお金が入る、右手が痒くなったらお金が出ていく

など、ヨーロッパ共通のものである。
また英語圏では、だれかがくしゃみをしたら「Bless you」と言うが、フィンランドは「Terveydeksi(テルヴェユデクシ/お大事に)」と言う。

くしゃみをしたら魂が一瞬抜け、悪い霊に身体をとられる恐れがあるからだ。

参考 Suomalaisten tonttujen todellinen luonne yllättää – lue erikoiset faktatTaikausko – Wikipedia

家や土地の守り神、Tonttu(トンットゥ)

フィンランド特有(もしくはフィンランド化された)迷信があるとしたら、「トンットゥ」だろう。

トンットゥはサンタクロースの助手と紹介されるが、「エルフ」とは限らない。
スウェーデンの「tomt(トムテ)」という妖精が由来で、土地や家の守り神の側面もあるからだ。
またフィンランドでは独自に「ご先祖さま」と扱われたりもするらしい。

もっとも有名なのはヨウル・トンットゥと呼ばれるサンタの助手だが、フィンランドにはサウナ・トンットゥ(サウナの精霊)もいる。

フィンランド人はサウナ・トンットゥのためだけにサウナを温めることがあるそうだ(まあ、今の若い人はやらないだろうが)。
また「サウナで大声を出したり、おならをしたらサウナ・トンットゥが怒る」なんて話もある。

参考 Suomalaisten tonttujen todellinen luonne yllättää – lue erikoiset faktatMTVuutiset.fi

フィンランドの河童?Näkki(ナッキ)

Kittelsen - Nøkken (Nasjonalmuseet)2Theodor Kittelsen [Public domain], via Wikimedia Commons

フィンランドには河童のような「Näkki(ナッキ)」という妖怪がいる。

ナッキは川や橋、池や井戸に住む意地悪な精霊(妖怪?)で、人間を引っ張ったり、溺れさせたりする。

子どもに水遊びの危険を知らせるために作り出されたものだろう。
なおその姿は決まっておらず、カエル、トカゲ、美男美女とも言われている。

参考 Suomalaisten tonttujen todellinen luonne yllättää – lue erikoiset faktatNäkki – Wikipedia

夏至の魔法(Juhannustaika)

フィンランドで最も迷信が残っているイベントは夏至祭だろう。

夏至の魔法を意味する「juhannustaika(ユハンヌスタイカ)」では、主に若い女性が占いに興じる(これも今の若い人はやらないだろうけど)。

  • 夏至祭の夜に井戸や池を除くと、将来結婚する相手が見える
  • 夏至祭の夜に靴を屋根へ投げ、その跡を見ると、どの方向へ引っ越すかわかる
  • 夏至祭の焚き火の煙がやってくる人が次に結婚する
  • 夏至祭の夜、川で顔を洗うと将来結婚する相手が見える
  • 鏡を二枚向かい合わせて覗き込むと、もう一つの鏡に将来結婚する相手が映る
  • カッコーが鳴く回数で、結婚するまでの年数がわかる
  • 四葉のクローバーを見つけると、結婚運がつく
  • 少女が少年のヴィヒタ(サウナで使う白樺の枝を束ねたもの)で太ももを叩き、太ももに残った葉の数えて将来の子どもの数を占う
  • 夏至祭の夜に7種類のハーブか花を集めて枕の下に置いて眠ると、将来の結婚相手が夢に出てくる
  • 穀物畑で少女が裸で回ると結婚相手が現れ、回った回数と同じ年の後に結婚する
他にも靴下を逆に履く、決まったものだけを身に着け裸で寝れば愛が成就するなど…。

どんだけ将来の結婚相手が知りたいの??
結婚だけじゃないよ?人生は?

…と思わずにはいられないが、神秘的ではある。
予想だが、昔の夏至祭は若い男女が将来のお相手を見つける場所だったのかな?

参考 10 perinteistä juhannustaikaa – keskikesä on rakkauden juhlaET

 

フィンランド観光局の夏至祭をテーマにした動画は雰囲気が良くおすすめ。

ちなみにリアル夏至祭の焚き火だが、火事にならないよう必ず火消しの人が立つ。
蛍光のジャケットが興ざめ(笑)。

夏至祭のコッコ


以上!

夫にこの記事に書いたことを「知ってる?」と聞いたら9割方「聞いたこと無い」と言っていた。
(まあ、夫はたまに「知らない」と言って答えを回避するので信用はできないが…)

PCブログのネタ集めにフィンランド人の夫が役に立たない話

やはり時代とともに、廃れて行ってしまうのだろう。
フィンランドもアメリカや日本のように、こういう伝説や迷信を元にした映画とか番組をどんどん作ってほしいなぁ。

水木しげるのような人、フィンランドにいないのだろうか?

では、今回はこのへんで。

Moi moi!

表紙の絵は若干あやしいけど、フィンランド叙事詩カレワラは魔法がいっぱいで来る。