フィンランド人の夫が日本移住に失敗した5つの原因 | Free and Light

フィンランド人の夫が日本移住に失敗した5つの原因

早いものでフィンランド人の夫と知り合って10年、結婚して6年になる。今でこそ2人で楽しくフィンランド暮らしているが、結婚するまでは大変だった。

なにが1番大変だったかと言うと、夫の日本移住が失敗に終わったことである。外国人が日本で働くこと、住むことの大変さを痛感させられた。

世間では「すっかり日本になじんだ外国人」の話ばかりが溢れていて、まるで日本が外国人に住みやすいかのような印象すら与える。しかし、そうした成功者と同じくらい、日本を去った外国人がいることも覚えたおきたい。

今回は夫の日本移住が失敗した原因をまとめてみる。

おおまかな概要

夫はもともと半年ほど日本に留学していた。日本語は中級。日常会話はできる。しかし複雑な内容の説明などはできない。読めない漢字多し。

フィンランドでは就業経験あり。学歴は申し分ない。留学後にふたたび日本に帰ってきて就職活動をし、東京にある小さな会社に就職。日本に移住してから半年ほどでフィンランドに帰国した。

当時の私たちは彼氏彼女の関係だった。

原因1.契約が結べない!スタートダッシュに失敗

移住後の数週間、夫は私の実家に泊まっていたが、すぐにアパートが見つかり引っ越して行った。ここまでは順調。

しかし引っ越してからが大変だった。

夫には名前が3つある。ファーストネーム+セカンドネーム+サードネーム+苗字、と非常に長ったらしい。アパートに引っ越したあと電気、水道、インターネット回線などの契約をしたのだが、長い名前のせいで、送られてくる書類の名前がことごとく間違っていた。仮に「マッティ・イルマリ・アールネ・ハマライネン」という名前だとしよう (マッティ、イルマリ、アールネがそれぞれ名前で、ハマライネンが名字)。

この名前を口頭で言われて、すぐカタカナにできる日本人はまずいない。加えて馴染みのないフィンランド人名なので、「マッティ」が「マーティ」になっていたりすることが多々あった。無事契約できたと思ったのも束の間、業者に訂正の電話をしなければならなかった。しかし、夫が訂正の電話をいれても、外国人なまりのせいで修正すら間違っている始末。最終的には私が、「名前は3つありまして。まず名字はハマライネンで、ハは歯医者のハ、マはマヨネーズのマ…」と説明しなければならなかった。

水道、電気はなんとかなったが、問題はインターネットだ。名前の訂正に時間がかかり、なかなかネットが使えなかった。ホームシックになっていた夫は、しばらく家族と連絡がとれなかったことが堪えたようだった。

原因2.悲劇。会社がブラック。

夫が内定をもらった会社はブラック企業だった。早朝ミーティング、毎日の残業、持ち帰りの仕事、土曜日の全体会議…。

残業代?もちろん無い。

上司からは日本語のヘタさを責められる日々。給料の支払いも変だった(給料日が土日だとふつう金曜に払われるが、月曜に払われる、など)。

フィンランドは労働基準法を守るのが当たり前。そもそも残業があまりない国なので、長時間拘束の体の疲れ、理不尽さに対する心の疲れで、夫はみるみる元気がなくなっていった。そのころは常に体調が悪く、休日に会うと疲れ果てていた。

原因3.飛ぶようになくなるお金

夫は日本移住のために150万円ほど貯金していた。しかしあっという間に半分に減ってしまい、経済的な不安を抱えるようになった。職探しで来日した時の飛行機代、その間のシェアハウス代、移住時の飛行機代、荷物の送料などで一気に減る。

仕事を見つけてからもアパート探しのための交通費、アパートを見つけてからは家賃、家具、家電、ネット契約、食費、仕事用のスーツ代…とポポポポーンとお金が飛んでいった。土地勘がないので余計な交通費がかかる場所にアパートを借りてしまったのも問題であった(半分は私の責任)。

贅沢をする人ではないのに、みるみる経済的に追い詰められて行った。自炊する時間も道具もなく、最後まで牛丼屋通いをしていた。

原因4.ついに…精神的に病んでしまう

夫は日本語がそれなりに話せたが、働くには「それなり」では足りなかった。日本語でのコミュニケーションがうまくいかず、常にストレスを抱えていた。会社では検討違いのことをしてよく怒られたらしい。ストレスフルな生活をしていた夫は、だんだん笑えなくなっていった。当時の私はそれが分からず、「なんで不機嫌なの?」と責めてしまったこともある。

ついに落ち込みがひどくなり、カウセリングに行くまでになってしまった。英語のカウンセリングで1回1万円かかった。そのため、カウンセリングに行く→経済的に苦しくなる→落ち込む、の悪循環。しかも母国語でないので細かいニュアンスが伝えられず、助けにならなかった。

原因5.すべてが上手く行かない。重なる不運。

他にも細かい不運が重なってしまった。

銀行からお金が引き出せない

日本に口座を持っていたが、ハンコではなくサインで契約をしたため、手続きには遠く離れた支店まで行かねばならなかった。

日本の口座に入っていたお金を当てにしていたのに、支店まで行く時間が取れず一銭も下ろせない状態に。アパート契約のお金が足りず困り果てた。

大家が変だった

彼の借りたアパートの大家は、アパートの前にいつも椅子を出して座っている人だった。外出するたびにつかまえられて、長話に付き合わされた。

また「いつも洗濯物を干しているけど、どうして?」などと聞くので、監視されていると感じた。

友人となかなか会えなかった

東京在住のフランス人の友人がいたのだが、なかなか会うことができず孤独な日々を過ごすはめになった。友人にアドバイスを聞いたり、愚痴を言いたかったようだが、予定が会わず、結局1回しか会うことができなかった

他にもいろいろあったが、泣きっ面に蜂ってこういうことを言うんだな、と当時思った。

そして帰国…

結局すべてがうまく行かず、仕事は4ヶ月で辞めることになった

その後2ヶ月はなんとか日本に踏みとどまろうとしたが、精魂尽き果ててフィンランドへ帰ることにした。アパートを引き払い、買ったばかり家具や家電はお金を払って業者に引き取ってもらった。永住覚悟で日本に来たのに、たった半年で帰国することにショックを受けていた。

明るい人だったのに、いつも暗い顔をするようになった。さらに私たちは何かとケンカするようにもなっていた。お互いボロボロの状態。夫を成田空港へ送って行った時、「私たち、もうダメかも」と思った。

夫はフィンランド帰国後かなり回復したが、日本移住のことは私にも彼にもトラウマとしてまだ残っている

日本移住を考えている外国人パートナーがいる方へ

国際カップルが増え、パートナーが日本移住を考えている場合も多いだろう。経験を踏まえて、いくつかアドバイスを。

金銭的余裕を持つ

必ずまとまった額を現金で引き出せるようにしておくこと。「自国の銀行口座に入ってる」はNG。

日本人パートナーは全面的サポートを覚悟すること

精神的、肉体的、金銭的に支えになること。自分が損をする覚悟をもとう。できるなら、同棲したほうがいい。

日本語能力は必須

外国人の中には、「英語ができれば世界中でなんとかなる」と思っている人がいるので、日本は日本語がすべてと伝えよう。

会社選びは一緒に

日本はブラック企業が多い。日本人でさえ就職前に見極められないのだから、外国人には不可能だ。会社選びは一緒にしてあげてほしい。

移住しないも勇気

日本は移民に対して何もサポートがない。全て自力である。日本でサバイブする肉体的、精神的パワーはあるか?経済力はあるか?サポートは受けられるか?慎重に考えよう。

最後に、夫に「日本移住する人にアドバイスある?」と聞いたら、こんな答えが帰ってきた。

「日本移住?シナイデクダサイ」

 

こちらは日本に住む外国人のお話(成功組?)。

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