フィンランドの仕事文化について、個人的経験に基づいて紹介します!
こんにちは!フィンランド在住のみんみ(@mimmi_nurinpain)です。
今回は、フィンランドで感じた仕事文化の違いについてまとめてみました。
なお「夏休みが長い」など、もう散々語られていることは割愛します。
ピックアップしたのは次の4点です。
どれも私の経験に基づいています。
- 時間の捉え方の違い
- 人間関係の違い
- コミュニケーションの違い
- 服装規定の違い
では行ってみましょう!
フィンランド内でも職場、業種によって独自のルールがあったりします。
あくまで、一般論と私の経験に基づくものです。
日本と違う?フィンランド的な時間厳守。
フィンランドで感じた仕事文化の違いに「時間の感覚」があります。
と言っても、フィンランドでももちろん遅刻はNG。就業時間や締切は守ります。
「8時にオフィスに来て」と言われたら8時、もしくは8時少し前に着くようにします。
しかし、日本とは違う部分もあります。
フィンランドは終了時間も厳守!
日本との違い、それはフィンランドは終わる時間も守る点です。
日本は開始時間には厳しいですが、終了時間にはルーズな人がいますよね?
会議が長引いても気にしなかったり、サービス残業が普通だったりします。
日本で新卒で入った会社では、毎日サービス残業してました(泣)。
一方、フィンランドは終了時間もキッチリしています。
定時、もしくは約束の時間やタスクをこなしたら、みんなサクッと帰ります。
会議も時間内に終わらせるよう調整します。
私が働いていた病院では、みんな定時3分前には荷物をまとめタイムカードの前に並んでいました(笑)。
残業も一応ある
ところで、フィンランド関連の記事に「フィンランドには残業が無い」と書かれていたりしますが、これは正しくありません。
フィンランドにも残業はあります。
病院で働いていた時も何度かしましたし、IT系企業務めの夫もたまに残業します。
残業はylityö(ウリトゥヨ)と呼ばれます。
ただ、残業をあらかじめ勘定に入れて仕事を振られることは少ないです。
私の場合は、急患が押し寄せた時の例外的なシチュエーションでしたし、夫はプロジェクトが架橋に差し迫った時でした。
また給料が上乗せになるので、なるべく残業させない会社がほとんどです。
この労働基準法は割と守られています(フィンランドは組合が強いです)。
人間関係はフラット。平等の精神。
次に人間関係です。
フィンランドでは職場の人間関係がフラットで驚いたことがあります。
日本では役職が上の人と話すときは、敬語がマスト。
意見を言う時も気を使います。
しかし、フィンランドでは役職に関係なくガンガン意見を言う人が多いです。
お互いに聞く耳も持ってます。
フィンランドの職場では日本ほど強い上下関係を感じず、最初は「こんなフランクで良いの!?」と思いました。
フィンランドの情報総合サイト「InfoFinland」でも、いかなる労働者も平等であることが強調されています。
Equality and equal opportunities in working life – InfoFinland
上司もファーストネームで呼び捨て
また、フィンランドは誰でも彼でもファーストネームで呼び合う習慣があります。
私も上司を「リーサ」と呼び捨てにしていました。
敬語*が逆に不自然だったりもします。
謙譲語や尊敬語を使わない文化も、フラットな人間関係を作る一因だと思います。
*フィンランドでは相手を「あなた達」と複数形で呼ぶと尊敬語になります。
道でサウリ・ニーニスト(フィンランドの大統領)に会っても「サウリ」って呼ぶよ!
ちなみに、フィンランド語で上司は「pomo(ポモ)」と言います。
響きがかわいいですよね(笑)。
メール、コミュニケーションがシンプル
もうひとつ、コミュニケーション方法にも文化の違いを感じたことがあります。
例えば、私はフィンランドでメールを送る時は夫にチェックしてもらうのですが、毎回ダメ出しを食らいます。
「メールにムダな文章が多い」と言うのです。
日本だと、相手を気遣った内容があった方がウケが良かったりしますよね。
しかし、フィンランドのメールはシンプルであることが大事。
例えば以前、実習をした病院に仕事がないか聞いたとき、
みなさま、お元気にされているでしょうか?
先月は実習で大変お世話になり、素晴らしい経験ができました。
さて、私は○月に時間あるのですが、空いているお仕事はありますでしょうか?
お時間ある時にでも、ご連絡いただけると幸いです。
…とメールをしようとしたら、夫が内容の8割をカット(泣)。
結局「○月に仕事はありますか」という超シンプルなものになりました。
一生懸命書いたのに(泣)。
ちなみに、その時のもらった返事は、
「仕事はありません。では。」
というサッパリしたものでした(泣)。
スモールトークをしない
職場では前置きは置かずに単刀直入に話す文化もあります。
会議などでも「みんな最近どう?」的なことは話さず、サクッと本題に入りキビキビ進むので気持ちが良いです。
服装規定がない、ゆるい。
最後に服装について。
フィンランドは職場での服装規定が無い、もしくは緩いところが多いです。
日本では女性のヒール強要やメガネ禁止について議論されていますが、フィンランド式に慣れると「なぜそんなルールが?」と思わずにはいられません。
もちろんお硬い職業や、接客業の人はスーツを着ます。
制服も存在します。
しかし、仕事に支障がなければムダなルールを作らないのがフィンランド流。
(ヒール強要は健康被害や差別問題でもあるので、ムダ以前の問題ですが…)
髪がピンクでも、ピアスだらけでも、業務に支障がなければOKです。
ちなみに、面接にもラフな格好で行く人が多いです。
夫は面接にパーカーとジーンズで行って仕事をゲットしました。
私もキレイめの私服で面接に行ったことがあります。
さすがにショートパンツとサンダルでは行きませんけどね(笑)。
余談ですが、病院では「揺れるピアスを付けるのはNG」というルールがあったのですが、「揺れなきゃいいんでしょ?」ということで鼻ピアスや眉間ビアスの人がいました。
日本だと取れって言われそうですよね(笑)。
タトゥーもOK
なお、日本では何かと非難されるタトゥー(入れ墨)ですが、フィンランドでは気にしない人が多いです。
病院でも、目に見える場所にタトゥーをした医師、看護師、技師などがたくさんいました。
幼稚園や学校の教師でもタトゥーをしている人は結構います。
これは文化や歴史の違いですね。
タトゥーによる差別も多少はあるかもしれませんが、本当に多くの人が入れているので、気にしていられないのが現状です。
とにかく、業務に支障が出ないならOKという雰囲気は確実にあります。
私はフィンランドのシステムは面倒くさくなくて良いなーと思います!
以上です!
これらはほんの一例で、他にもいろいろな違いがあります。
人によって見方もまちまちです。
また、フィンランドを褒めるような書き方をしましたが、日本が一概に悪いわけではありません。
フィンランドがいいなと思う日もあれば、サッパリし過ぎて冷たく感じる日もある…と、日によって感想も違います。
とりあえず今回は「こんな国もあるんだね〜」と面白がってもらえたら嬉しいです。
ではまた~。