【フィンランド名前事情】面白い名前、名付けトレンド、ルールを紹介!

フィンランドの名前事情

「アホネンさん」「カタイネンさん」など、フィンランドには気になる名字が多くあります。
名前もかなりおもしろいです。

2010年代で人気だった名前の記事をもとに、フィンランドの名前事情についてまとめました

*名前の読みは私が無理やりカタカナ化したもので、実際は違って聞こえる場合があります。出典は記事の最後にまとめました。

苗字の記事はこちら:
フィンランド人の苗字トリビアーネンがいっぱい?日本語に訳すと変?アホさん?

フィンランド人の名前ってどうなってるの?

フィンランドの名前事情…ということで、まずフィンランド人の名前がどうなっているか解説します。

簡潔に言うと名前+名字のシンプルな構成です

4つ名前をつけてOK

日本との違いは名前を1つ以上付けられること

フィンランドには「ユハ」「サンナ」など、シンプルな名前が多いですが、フルネームを聞くと長かったりします。

みんみ
みんみ

私の夫にも3つ名前があり、初めて聞いた時は「覚えられる日が来るだろうか」と思いました(笑)。

フィンランドの人気アイス・スケーターだったキーラ・コルピも、フルネームは「Kiira Linda Katriina Korpi*」と長いです(Korpiが苗字)。
*キーラ・リンダ・カトゥリーナ・コルピ

キーラ・コルピ – Wikipedia

 

 
 
 
 
 
View this post on Instagram
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

A post shared by Kiira Korpi-Borges (@kiira_korpi) on

このようにフィンランドの法律では名前を複数持つことができます
2019年からは最大4つまでOKになりました。

みんみ
みんみ

どこまで長くなるんだ…。

フィンランドには「Vesa-Matti(ヴェサ・マッティッ)」といった複合名も存在します。
複合名が続くと、とんでもなく長い名前もできそうです。

ただ、子供に不利益があると考えられる場合は受理されません。

私の見る限り、ファーストネーム以外を使う機会はほとんどありませんが、「セカンドネームのXXで呼んで」と言う人はたまにいます。

みんみ
みんみ

書類に「使ってほしい名前に下線を引いてください」と書かれている場合があります。

まれに、通称名を使う人もいます。

ちなみにフィンランドにもいくつかお決まりのニックネームがあります。

たとえばJaakko(ヤーッコ)はほぼ自動的にJake(ヤケ)、Jaska(ヤスカ)となります。

みんみ
みんみ

日本ではタツヤという名前の子が自動的に「タッちゃん」と呼ばれるようなものですね。

フィンランドで人気の名前トップ5

ここからフィンランドで人気の名前を紹介します
フィンランドで1900年〜2016年の間で最も多かった名前(ファーストネーム)は以下の通りです。

女性名

  1. Anna(アンナ)
  2. Aino(アイノ)
  3. Eeva(エーヴァ)
  4. Ritva(リトゥヴァ)
  5. Tuula(トゥーラ)

男性名

  1. Matti(マッティッ)
  2. Antti(アンッティッ)
  3. Timo(ティモ)
  4. Erkki(エルッキ)
  5. Kari(カリ)

日本だと「ただし」「のりこ」といったところでしょうか。

ちなみに、フィンランドにも「おじいちゃん/おばあちゃんっぽい名前」なシワシワネームもあります。

みんみ
みんみ

Mattiは「かもめ食堂」のキャラクターにもいたよね。

名付けのトレンド

フィンランドにも名前の流行があります
時代によって上位は入れ替わり、イマドキな名前も登場します。

たとえば最近はフィンランド以外にもいそうな、インターナショナルな名前が増えているようです。
こちらは2010年代に人気だった名前です。*2019年は含まれず

女性名

  1. Sofia(ソフィア)
  2. Emma(エンマ)
  3. Aino(アイノ)

男性名

  1. Elias(エリアス)
  2. Onni(オンニ)
  3. Leo(レオ)

ソフィア、エリアス、レオは欧米全体にいる名前で国際化が見て取れます。
エンマも「エマ」と呼ばせれば、いろいろな国で違和感なく使えそうです。

一方でAino(アイノ)、Onni(オンニ)はフィンランドならではです。
あえて古風にするのもトレンドなのだとか。

みんみ
みんみ

ちなみにOnniは幸運という意味です。

フィンランドにもユニークな名前が!?

ターザン風の男性
ターザン…

実はフィンランドでも「従来の枠に囚われない名前を」と考える親御さんがいるようです
しかし名付けにもルールがあり、何でもOKではありません。

例えば男の子に女の子の名前はダメ(逆も)。
また「Saunaと書いてホットと読む」など、読み方を曲げるのもNGです。

子供に害がある、不利益になると判断されると、役所で受け付けてもらえません。

たとえば、

  • Alcapone(アルカポネ…有名なギャング)
  • Wolf(ウルフ…狼)
  • Tuhka(トゥフカ…灰)

などは却下されたようです。

一方で、ユニークなのに許可される場合も。

  • Nokia(ノキア)…地名&社名?
  • Keiju(ケイユ)…妖精
  • Tarzan(ターザン)…キャラクター名
  • Muna(ムナ)…卵

私は本人が良ければなんでも良いと思いますが、Munaは男性器を指すことがあるので気になります…。

なお、日本では女/男の名前でも、フィンランドで性別が逆になるような名前も却下される可能性が高いです。

幸い(?)名前の変更は日本より簡単です。
変える、増やす、減らすのもルールの範囲内ならOK

手数料も45ユーロと安いです。

名前の選び方

名前の選び方

肝心の名前の選び方ですが、これは個人差があるようです
響きが好き、意味が好き、尊敬する人の名前だとか、それぞれ思いを込めます。

フィンランドには名前の日があり、子どもの誕生日からアイディアを得る人も。

私の周りでは、曾祖父母の名前を使った人が何人かいます。
また、よくあるのがファーストネームは自由に付けて、セカンドネームに自分や親族の名前を付けることです。

日本だと、自分や親と同じ漢字を使うような感じかもしれませんね。

フィンランド人名のルーツ

Gallen-Kallela The defence of the Sampo
フィンランド叙事詩カレワラ

フィンランド人名を分析すると、スウェーデン由来の名前、聖書から来た名前、フィンランド特有のキリスト教伝来前からある名前などが混在していて面白いです

私の周りにはJanne(ヤンネ)という男性名が多いのですが、これはヨハネが元になっています。
女の子に多いMaria(マリア)もキリスト教由来でしょうね。

一方、先程も出てきたAino(アイノ)はフィンランド生まれの伝統的な女性名です。
フィンランド叙事詩カレワラにもAinoという乙女が登場します。

Keinänen, Aino meren rannalla
カレワラに出てくるAinoさん。

フィンランド由来の名前は自然に由来していたり、土着の神様からとられていたりします。
意味を探るとおもしろいです。

女性名

  • Lumi(ルミ) 雪
  • Tuulikki(トゥーリッキ) 森の支配者/神タピオの妻
  • Orvokki(オルヴォッキ) すみれ

男性名

  • Tapio(タピオ) 森の支配者/神
  • Otso(オッツォ) 熊
  • Sampo(サンポ) カレワラに登場する宝

(おまけ)日本でも使えそうな名前

ところで、フィンランド語の発音は日本語に近いです。
そのため「あれ?日本でもイケるんじゃ?」と思う名前が結構あります。

女性名

  • Mari(マリ)
  • Lumi(ルミ)
  • Erika(エリカ)
  • Airi(アイリ)

男性名

  • Juuso(ユーソ…雄三?)
  • Saku(サク)
  • Leo(レオ)
  • Riku(リク)
  • Aki(アキ)

日本だと合わない名前?

逆に日本だと子供に付けるには躊躇するものもあります

例えば、女性名のIida(イーダ)。
日本で飯田さんと結婚したら、イイダ・イーダになってしまいます。

みんみ
みんみ

Iida自体はかわいいと思います!
あと、Aada(アーダ)さんもいます。

あとはHenna(ヘンナ)、男性名のSakari(サカリ)、Esa(エサ)も別の意味を連想させます。

名字も日本語っぽいと「おや?」と思うコンビネーションが生まれることも。

例えば、Minna Aho(ミンナ・アホ)さん。
Esa Katainen(エサ・カタイネン)さんなど…。

ただ、どれも実際に聞くと発音が違って気にならなことが多いです

「コ」で終わるのは男性名

日本では「~子」で終わるのは女の子のイメージがあります。
一方フィンランドで「ko」で終わるのは男の子に多いです。

  • Marko(マルコ)
  • Esko(エスコ)
  • Jouko(ヨウコ)
  • Mikko(ミッコ)

日本とは別の性別をイメージする名前は他にもあります。

  • Mika(ミカ)…男性名
  • Seija(セイヤ)…女性名

フィンランドで面白く聞こえる日本人名もあります!

逆に日本人の名前がフィンランドでおもしろく聞こえる場合もあります。

「かな」は「にわとり」、「はな」は「蛇口」、「えみ」は「雌しべ」…といった具合です。

まあ、世界中の単語を考慮するのは難しいので、気にする必要はないと思います。

一応、こんな本を見つけましたが…うーんどうでしょう(汗)?
目次を読む限りちょっと独特すぎる気がしますが、興味半分で読んだら結構おもしろかったです(笑)。

Kindle unlimitedでも読めます。


世界の名前について知りたいなら、こっちの方がおもしろそうです。


今回はここまで!

フィンランドに興味を持つきっかけになたら嬉しいです。

ではまた~

参考サイト:
Tässä Suomen erikoisimmat nimet – katso lista! – Kotimaa – Ilta-Sanomat (2020/1/7)
Monck, Alcapone ja Tuhka eivät kelvanneet nimiksi – moni muukin hylättiin viime vuonna (2020/1/6)
Nämä olivat vuosikymmenen suosituimpia etunimiä – 2020-luvun trendi on kansainvälisyys | Yle Uutiset | yle.fi (2020/1/6)
Kuinka retro etunimesi on? Tee nostalgiamatka Ylen nimikoneella | Yle Uutiset | yle.fi (2020/1/6)