国際交流会で折り紙教室をやることになっちゃった。私にできるかな…?
外国人に折り紙を教えるにはちょっとしたコツがあるよ。
海外に住んでいると「折り紙を教えて」と頼まれることがある。
日本の文化を知ってもらう良いきっかけになる、と気軽に引き受ける人が多いだろう。
しかし「外国語で教えられるかな?」と不安になる人もいるはずだ。
私はフィンランドで幼稚園や学校、イベント、移民サークルなどで10回ほど折り紙を教えたことがある。
最初はとまどったが、経験するうちにコツを掴んだ。
そこで今回は、折り紙ワークショップを開いた時に気づいた外国人に折り紙を教える7つのコツをまとめてみた。
国際交流会などで役に立てば嬉しい。
1 折りやすいモチーフを把握する
折り紙と言われてまず浮かぶのは「折り鶴」。
日本を象徴するモチーフだし、見た目もきれいだ。
しかし初めて折り紙をする外国人に鶴はけっこう難しい。
鶴はちゃんと端を合わせて折らないと、完成した時グチャグチャになるからだ。
端を合わせて折るのが苦手な外国人は多い(というより、そのことに重要性を感じていない人が多い)。
鶴は首や顔の部分が細かく、ていねいに折らないと不格好になる。
教えるのに慣れていない時や、特に小さい子どもが相手の時は、多少雑に折っても形になるモチーフを選んでおこう。
- 雑に折っても形になる
- 工程が多すぎない
- 作業が細かすぎない
ただ、この基準を満たしているからといって、なんでも良い訳ではない。
簡単だからと「やっこさん」を教えても、反応はイマイチだったりする。
立体だったり、動いたりする方がウケがいい。
おすすめはシンプルな箱、尾を引っ張ると羽がパタパタ動く鳥、ピョコンと跳ねるカエル、風船などだ。
これらは複雑そうに見えて、簡単に折る事ができる。
ちなみに裏表がある、日本の折り紙がいちばん折りやすいよ。
2 完成品を事前に見せる
サンプルを折っておき、教える前に完成形を見せよう。
いきなり「カエルを折りましょう」と言われても、外国人にはピンと来ないからだ。
また完成形を見せてから折り始めると、「こういう構造なんだ!」と面白がってくれる。
箱、カエル、風船などのサンプルを用意しておいて、なにを折りたいか選ばせるのも良いだろう。
折る方もやる気が出る。
子どもの場合は、例えばカエルなら目を描いた完成品を見せておいて、
「目を描いてオリジナルのカエルを作ろう!」
とか、風船なら各面に数字を描いておいて
「サイコロを作って遊ぼう!」
と、遊び方を見せると最後まで飽きずに折ってくれる。
3 説明を考えておく
折り方を知っていても、外国語での説明は頭を使う。
ぶっつけ本番で教えると、なかなか言葉が出てこないことも。
あらかじめ説明を考えておくことをおすすめする。
例えばこんな感じ。
「まず半分に折ります。大きな三角になります」
「今折ったところに、折り目が付きました。ここを中心に折ります」
「開いているところに一指し指を入れて、上から潰して四角を作ります」
シンプルで解りやすい言葉を選ぼう。
山折り、谷折りなどの表現はいらないと思うが、以下の言葉は最低限覚えておこう。
- 「四角」
- 「三角」
- 「角」
- 「真ん中」
- 「折る」
- 「開く」
- 「外へ」
- 「ひっくり返す」
困った時は「こんな感じに~(like this…)」と言って折り方を見せればOK!
4 助手を頼む
初めて折り紙をする人には、手取り足取りのサポートがいる。
難しいところを代わりに折ってあげることも少なくない。
それでも一対一で教える場合はそれほど大変ではない。
ただ1度に2人以上となると工夫がいる。
1人っきりで複数人に教えるとなると、
- 全体への折り方の説明
- 解っていない人のフォロー
を同時にこなさなければならないからだ。
向き不向きがあるのか、口頭の説明だけでパッと折れる人と、すぐ混乱してしまう人がいる。
混乱している人はフォローしてあげなければならないが、時間がかかってしまうことがある。
さて、混乱してしまう人のフォローに時間を取られるとなにが起きるだろう?
すでに出来た人が飽き始めてしまうのだ。
となりの人とお喋りを始めてしまったり、小さな子どもだと「次はどうするの?早く教えてよ!」とせっついてくることもある。
こんな状態になるのは、避けたいものだ。
そのために、一緒に教えてくれる助手を見つけておこう。
1人が全体に説明をし、もう1人が各自の進み具合をチェックするようにすれば、教えやすさが全然ちがう。
教えられる方も助手がいると質問がしやすい。
複数人に折り紙を教えることになったら、友達に声をかけてみよう。
5 折る人の隣に座る
折り紙を教える時は、向かい合うのではなく、折る人の隣に座る方が教えやすい。
「右を~」「左を~」という表現が解りやすかったり、「紙が開いている方を手前に置く」などの説明もしやすい。
どうしても向かい合わせになってしまう場合は、相手の向きに合わせて、折り紙を逆向きに折ってみたり、相手の折り紙のポジションを逐一直してあげるようにしよう。
6 ゆっくり、急かさない
初めて折り紙を折る外国人は、混乱しがち。
とにかくゆっくり、一つ一つ形を確認しながら折り進めよう。
例えば、「この両端を折ってください」とザックリ言っても、日本人なら「中心まで両端を折れってことね」と勘が働く。
しかし、外国人の場合はまず片方を折って見せて、「もう片方も同じです」と、教えてあげないと「両端ってどこ?真ん中ってどこ?」となってしまう。
また折っている途中で、次のステップのために折り目を付けたあと、
「では今折ったところを開いてください」
と言ったら、紙を全部広げてしまった人もいる(もったいない!)。
なので、
「今折った三角形がありますね(と三角形の部分を持って見せて)。これを開きます」
と一つ一つやるようにしよう。
7 褒めるまくる
最後のコツ。
どんなにぶきっちょな人も褒めて褒めて褒めまくろう。
相手は楽しむために折り紙をしているのだから、「ダメダメ!そう折るんじゃないよ」なんて言われたら凹んでしまう。
なので一つ折り進めるために、「上手!」と声を掛けよう。
特に小さい子どもは間違ったまま勝手に折り進めてしまったり、
「もう、わかんない!」
と投げ出してしまいそうになる場合もある。
しかし「大丈夫、こうやってやるんだよ!上手!」と励まして、モチベーションをアップさせましょう。
どうしても無理そうな時は、代わりに完成間近まで折ってあげてもOK。最後だけは本人にやらせてあげよう。
まとめ
- 折りやすいモチーフを把握する
- 完成品を事前に見せる
- 説明を考えておく
- 助手を頼む
- 折る人の隣に座る
- ゆっくり、急かさない
- 褒めるまくる
英語で折り紙を教える
教えるのが難しそうだったら、英語で折り紙を教える本もある。
参考までに。
ところで以前、幼稚園で折り紙を教えたら人気者になった。
人気はそう長くは続かなかったが、「フィンランド語がヘタな人」から「折り紙の人」に大出世できた。
外国人と交流する予定があるなら、折り紙を覚えておいて損はない。
ぜひ折り方を覚えて、外国人に教えてみてね。