この記事では、私がフィンランド人の夫と結婚準備→フィンランド移住するまでに行ったこと、手続きを紹介します。
私が結婚したのは2011年ですので、すでに古くなっている情報も多いと思います。
あくまで「そんな風に手続きした人もいるんだね〜」程度にお読みください。
ですが、以下の方に多少は参考になると思います。
- フィンランド人と結婚し、フィンランドに移住予定で他の人がどんな手続きを踏んだか知りたい人
- 日本でなにを準備するか知りたい人
時系列に沿って書いていますが、目次から各項目に飛ぶことができます。
調べ直した情報を載せましたが、ご自身で市役所や大使館に確認をお願いします。
あくまで参考程度に。
なおプロポーズから結婚するまで約8か月ありました(手続きに8か月かかるという意味ではありません)。
フィンランドにおける結婚の条件
まずフィンランドで結婚できる条件です。
たいていの人は問題ないと思いますが、念の為…。
- 満18歳以上
- 婚姻関係にないこと
- 他の人とパートナーシップ登録をしていないこと
※2017年3月から同性婚もできるようになりました!
18歳未満でも、妊娠、宗教、文化などの例外があれば結婚を許可されることがあります。
17歳未満の場合は、妊娠以外の理由は認められません。
特別な面接を受ける必要もあるようです。
参考
Avioliiton ikärajaMinilex
↑フィンランド語です
両親への報告
結婚の報告は私から両親にしました。
私たちは4年以上付き合っていて、親も夫のことをよく知っていたので反対はなし。
フィンランドにいた夫はSkypeで両親に挨拶。
その後来日し、正式な挨拶をレストランでしました。
日本では式をしないと決めていたので、その時に親戚を訪ねたりもしました。
指輪の購入
夫とフィンランド(ヘルシンキではない)のジュエリーショップを見て回ったのですが、種類が少なく、値段も高かったです。
デザインも私的にはイマイチ。
指輪は日本のデパートで購入しました。
日本の方がデザインも値段もバラエティがありました。
指輪はサイズの調整、名前入れなどで、受け取りに時間がかかることがあります。
私の時は約2カ月かかりました。
余裕を持って注文し、フィンランドに行く前に受け取るようにしましょう。
できあがった指輪は自分でフィンランドに持って行きました。
会社へ報告し、必要な書類をもらう
会社にお勤めの方は退職の手続きをし、必要な書類をもらいましょう
退職願を出す
日本では退職希望日の2週間前に申し出をするように決まっています。
しかし、引き継ぎも考え、なるべく早い方がいいでしょう。
私は退職希望日の2カ月くらい前に伝えました。
直属の上司 → 社長(中小だったので)と順に話し、最後に同僚に報告。
結婚祝いを下さった方にはデパートで買ったお菓子をお返ししました。
会社から必要書類を受け取る
退職時には必要な書類を受け取りましょう。
- 離職票
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 源泉徴収票
などです(他にもあるかもしれません)。
保険は国民健康保険に切り替えておきましょう。
「移住するから関係ないやー」と思っていても、移住前に病気になるかもしれません。
海外転出届を出す際に国民健康保険の脱退手続きもあります。
書類は忘れずにもらいましょう。
参考 退職や入社など転職で必要となる書類一覧転職ならリクナビNEXT
英語の雇用証明書をもらう
ついでに雇用証明書も英語でもらっておきましょう。
英語ですよ!英語!
会社の人のサインのある「この期間ウチで働いてました」という書類です。
フィンランドの職業安定所の登録に必要になります。
証明書の内容
私の場合「Certificate of employment」という書類をいただきました。
会社に英語のフォーマットがなければ、自分で文章を考え、上司にサインをもらうだけにするとスムーズです。
私の雇用証明書の中身を書いておきます。
あくまで参考までに。
- 「Certificate of employment」という見出し
- 会社のロゴ
- 会社名
- 会社の所在地、勤務地
- 私の名前
- 私の役職
- 働いていた期間(働き始めた日、退職日)
- 簡単な職務内容
- 会社の人のサイン(サインの下にブロック体でも名前を書いてもらいましょう)
- サインした日付、場所
どのような情報が必要かは、フィンランドの職業安定所に確認してください。
できるなら、英語の推薦文ももらいましょう。
就職に役立つかもしれません。
転職経験がある人は、前の会社からも雇用証明書をもらいましょう。
ムリなら最低限、最新の職場からはゲットしてください。
就業年数が一定の年数を超えると、フィンランドで受けられるサポートが変わってくる場合があります。
書類はできるだけ集めましょう!
日本で先に結婚するか、フィンランドで先に結婚するか決める
フィンランド人と結婚手続きには2パターンあります。
- 日本で先に結婚してフィンランドに届ける
- フィンランドで先に結婚して日本に届ける
各手続きはフィンランド大使館のホームページで確認できます。
参考 結婚フィンランド大使館・東京 : 領事サービス : 関連事項
参考 フィンランドにおいて婚姻される方へ 在フィンランド日本国大使館
私たちはフィンランドで先に結婚してから、日本に届を出すことにしました。
理由は私の移住が決まっていたからです。
フィンランドで婚姻が成立した後、警察署に滞在許可の申請をすればそのままフィンランドに滞在できます。
また日本から持っていく書類が戸籍謄本とパスポートだけでOKだったのも理由のひとつです。
以下のページに滞在許可申請後のプロセスが説明されています。
参考 Application processing stagesMaahanmuuttovirasto
ちなみに、フィンランドで先に結婚した人は「フィンランドで先に結婚した方が楽!」と言い、日本で先に結婚した人は「日本で先に結婚した方が楽!」と言います(笑)。
しかしネットの経験談を読んでもフィンランドで結婚する方が簡単だと思います。
フィンランドで結婚する場合に必要な書類を集める
戸籍謄本
婚姻手続きに必要な戸籍謄本は市役所でとれます。
以下の場面で必要でした。
- 婚姻要件具備証明書の発行申請する際
- フィンランドの役場に結婚の申し込みをする際
- 日本へ婚姻届を出す際
私は最終的に全部使い切りました(必要な枚数は公式サイトで確認してください)。
なお、必要とされる枚数より3枚ほど余分に持って行きましたが、使いませんでした。
戸籍謄本は「発行から○以内のもの」という期限があります。
できるだけ直前に用意すると良いでしょう。
戸籍謄本をとる時にはパスポートや免許証など、身分証明書を忘れずに。
自分の婚姻要件具備証明書の発行申請をする
婚姻要件具備証明書は「私は結婚できる年齢で、独身です」ということを証明する書類です。
これをフィンランドに提出して、自分が結婚可能な状態であることを示します。
証明書は日本の法務局かヘルシンキの在フィンランド日本大使館で発行しているようです。
ヘルシンキに滞在予定の人は現地に着いてから申請しても良いでしょうが(発行までに概ね2日)、私は地方に行く予定だったので、日本大使館に事前に郵送で仮申請し、 ヘルシンキ到着時に受け取りました。
証明書は大使館で発行してもらう方が楽だと思います。
というのもフィンランド大使館のホームページによると、法務局発行のものにはアポスティーユや翻訳をつけなければならないと書いてありますが、日本大使館が発行したものには必要なかったからです。
日本大使館での発行には条件があるようなので、大使館にご確認ください。
必要な書類は大使館ホームページで確認できます。
海外転出届、国民健康保険、国民年金について
フィンランドに一年以上滞在する場合は、海外転出届を出します。
出発の2週間前から受け付けてくれました。
これをしないと来年も住民税を払うことになります(イヤー!)。
1月1日時点で住民票があると、その年の分の住民税の支払いが発生します。
払いたくない人は年末に届けるなど工夫しましょう。
海外転出日を境に国民健康保険は脱退となりました。
保険証は転出日まで持っていて、移住後に両親に市役所に返却してもらいました。
国民年金は海外転出届を出すことによって任意加入になるのですが、私は加入しないことにしました。
理由は、
- 海外在住期間は合算対象期間となって、年金を受けるための期間にカウントされること
- しばらくは働けないので、年金を払うとスッカラカンになってしまうから(泣)
の2点で決めました。
在外選挙人名簿への登録
フィンランドからも日本国籍があれば選挙に参加できます。
海外から投票するには、在外選挙人名簿への登録が必要です。
今は出国前に手続きができるようになったので、済ませておきましょう。
もちろん、移住後にも手続きはできます。
やり方はこちらから確認できます。
手続きには2、3ヶ月かかりますので、お早めに!
税金関係
税金に関しては忘れてしまったことが多いのでサラっと行きます(汗)。
住民税
私の場合、各種税金は会社の給与から天引きされていたので、退職後は住民税を銀行引き落としに変更しました。
たとえ年の途中で移住しても、今年分は払わなければいけません。
納税管理人の届出
移住後は税金の手続きができないと思ったので、納税管理人の届出をしました。
管理人には父になってもらいました。
詳しくは以下のリンクで。
引っ越し準備
私は実家住まいだったので、自分の荷物を送るだけでした。
郵便局が一番安かったと思いますが、船便、SAL便を使い分けました。
船便、SAL便の料金はこちら↓
船便では、
- 季節的にすぐに必要ない服、靴
- 化粧品のストック
- 日本食材
- 本
など、移住後すぐに使わなものを送りました。
3か月位で届きました。
航空便(SAL)では、
- すぐに使いたい服、靴
- 炊飯器や調理器具(包丁やお箸など)
- おみやげ
などを送りました。
到着には10日ほどかかりました。
伝票の内容品は細かく書く必要があるので、郵便局で書くと大変かもしれません。
「food」「clothes」などザックリすぎると、詳しく書くように言われてしまう可能性もあります。
事前に伝票を入手し、家で書くのがおすすめです。
どの箱に何がどれくらい入っているのかメモしておきましょう。
書き方は郵便局のサイトを参考にしてください。
アルコール成分が入っているものや、電池などには規制があります。
事前に確認を。
化粧品などお気を付けください。
航空券を(安く)購入する
移住時期に決まりがなければオフシーズンのチケットが狙い目。
繰り返しになりますが、書類、指輪など、必要なものが確実に揃う時期に出発しましょう!
安い航空券を手に入れる
フィンランド行きの航空券を安く買うには、とにかく調べまくることが大事です。
私はいつも直行便を利用しています。
割高ですが飛行機が嫌いなのと、楽だからです。
入国審査について
日本人なら無査証でフィンランドに「180日の期間内で最大90日間滞在」できます。
私は結婚してそのまま住む予定だったので、入国審査について調べてまわりました。
結果から言うと、無査証で入国しました。
入国審査のために準備が必要か日本大使館に問い合わせたらアドバイスをくれたのですが、どれも「必須」ではないとのことでした。
なおフィンランドで結婚して滞在許可を申請すれば、そのまま3か月以上フィンランドに留まることができます。
滞在許可が下りるまでは数カ月(時期と人による)かかりますが、申請期間にもフィンランドに滞在できる書類をもらうことができます。
お金の持って行き方
お金をフィンランドに移す方法ですが、私は日本のクレジットカードの海外キャッシングを利用していました。
海外キャッシング枠内で、フィンランドのATMからユーロで現金を引き出せます。
利子はかかりますが、口座にお金が入っていれば定期的に引き落とされるので、そんなに高くはならないです←やっぱりちょっと高いかも…。
ネットで検索すると「海外に安く送金する方法!」など、様々なノウハウが紹介されていますが、移住当時はフィンランドに口座もなく、現金も持ち歩きたくなかったので、私はこの方法で満足しました。
海外からも使える日本の銀行口座を用意する
日本の銀行口座は、日本国内に連絡可能な住所があれば残しておけるケースが多いです。
私は実家の住所を使わせてもらっています。
使っている銀行が「海外在住者は一律NG」なら日本に住所があればOKな銀行に切り替えましょう。
私はみずほ銀行を利用していますが、海外からもみずほダイレクトで預金を確認することができます。
ネットバンキングを使いたい方は、日本にいる間に使い方を調べておくと良いでしょう。
必要ならクレジットカードも作っておきましょう。
退職前に!
逆に使っていない銀行口座は解約することも検討してください。
長期放置された口座は手数料がかかったり、引き出しに余計な手続きが必要になることもあります(5年、10年あっという間に過ぎますよ〜)。
フィンランドで使えるもっとも安全なクレジットカードはVISAです。
MasterCardもまあOKです。
JCB、アメリカン・エキスプレスは微妙です。
学歴、職歴の証明書を揃えておく
フィンランドで滞在許可がでると職業安定所に登録できます。
仕事の紹介はもちろん、職業訓練や失業手当てをもらうことができます。
フィンランドで進学することもできます。
長期滞在をお考えの方は以下の書類を取っておけば、登録などをスムーズに行えます。
- 過去勤めていた会社の雇用証明書
- 大学の卒業証明書、単位修得証明書
- 高校の卒業証明書、成績表/単位修得証明書
- 専門学校の卒業証明書、成績表/単位修得証明書
卒業証明書は学校に問い合わせれば発行してくれます。
英語バージョンにするのをお忘れなく!
高校の証明書は必須ではないと思いますが、フィンランドで大学進学を考えている方は取っておいた方がいいです。
受験の際に必要になるかもしれません。
なお証明書が日本語の場合は、認定を受けた翻訳家に翻訳してもらわなければいけません。
大学受験のために高校の単位履修票(2ページ)を頼んだら100ユーロかかりました。
日本の「国際」がズレてると実感した思い出【世界へはばたけ?】
時間がある時にやっておくこと
最後に、日本でやらずに後悔したことをご紹介します。
今までの渡航履歴のまとめ
滞在許可の申請用紙には、配偶者との交際歴を書く欄がありました。
↓こんなやつです(自分にとって正しい書類かご確認を)。
参考 Spouse is a Finnish citizenMaahanmuuttovirasto
「配偶者にどれくらい会ったか」を書く必要があるので、交際期間にフィンランドと日本を行き来していた人はまとめておくといいでしょう。
旅行代理店の領収書メールなどが役に経ちます。
私たちの場合、パスポートのスタンプを参考にしたのですが、スタンプの解読に時間がかかりました。
日付もうまく読めないし、時系列にそって押してくれているわけでなし、しかも乗継国(EU)で出国して観光したこともありグチャグチャ。
警察署で、夫、私、受付の人でウーンウーンうなりながらパスポートの数字を読みました(笑)。
サインが手書きなら問題ありません(ものによってはデジタル署名もできるかもしれません)。
移住すぐは書類の用意が大変なので、手書きだと死にます(笑)。
警察署は予約ができるところもあるので利用しましょう。
直接行って列に並ぶと、かなり待つかもしれません。
証明写真を撮っておく(こだわりがあるなら)
パスポートや各種申請用の証明写真、特に印刷したものが必要な場合、日本で撮る方法もあります。
(申請によってサイズが違うので注意してください)
参考 Passport photo instructionsPoliisi
というのは、私の住む町にはインスタントの証明写真スタンドがなく、写真屋さんに頼んだら4枚で15ユーロ以上かかったからです。
しかも店のオジサンが20秒くらいで、パシャパシャ~、はい終了。。。
取った写真を現像前に見せてもらったのですが、フィンランド語で注文をつけることもできず、残念な証明写真ができあがりました。
なお、フィンランド国内ではデジタルで証明写真を送付できるケースもあります。
認定を受けた写真屋での撮影になりますが、一度取っておけば期限内に何度も使うことができます。
写真の郵送orデータベース化
思い出の写真は日本に置いてきたのですが結婚式に必要になりました。
両親に郵送するよう頼んだのですが、見られたくないアホな写真もあります(笑)。
日本でデジタル化してクラウドにでもあげれば良かったと後悔しました。
耳かきの購入
耳かき、今のところフィンランドではあまり見かけません。
Ruohonjuuriというお店で売っていました。
綿棒はあります。
耳かきを買い忘れてギャー!っとなった私は、わざわざ親に郵送してもらいました(^^;
耳かき派の皆様、お忘れないよう!
英会話
在住歴8年にして思うのが、英語の大切さです。
できる仕事の幅が広がりますし、フィンランド語に慣れるまでは英語が生命線となります。
時間がある時に英語の勉強をしておきましょう。
私が持っていったフィンランド語教材
移住後は現地語を学びたかったので、フィンランド語教材を持っていきました。
持っていったのは、フィン日辞書、日フィン辞書と文法の本3冊です。
ネットでなんでも調べられる時代ですが、フィンランド語の説明を見つけるのは大変です。
なんだかんだで、今でも使っています。
文法はこちら。
Kindle版もあります。
辞書はこの2冊。
単語を網羅!という訳ではないですが、ネットの辞書と合わせて使っています。
こちらの記事で、フィンランド語教材を18冊紹介しています。
レベルにあったものをチェックしてみてくださいね。
フィンランド語教材/辞書を総まとめ【18冊】おすすめ紹介コメント付き
初心者向けですが、このブログでも簡単なフィンランド語表現を紹介しています。
【初心者向け】フィンランド語関連のブログ記事まとめ
ふー、お疲れ様でした。
他にも思いついたら随時足していきます。
最後に、ご結婚おめでとうございます!
ではまた~!
フィンランドに行く前にフィンランドを予習!