フィンランド在住者向けの記事です!
こんにちは!フィンランド在住のみんみです。
フィンランドでは職業安定所を通して「työkokeilu(トュオコケイル)」というサービスを利用できます。
työkokeiluはいわゆる職業体験(ジョブトライアル/インターン)にあたるもので、お店や企業などで気になる職業を「お試し体験」できるというもの。
先日、二度目のtyökokeilu(以下、職業体験)をしたので、概要と感想をまとめました。
日本語でザックリ内容を知りたい方、やった感想を知りたい方の参考になれば嬉しいです!
公式の情報は以下のリンクで手に入ります。
2020年3月現在の情報を私の解釈でまとめたものです。
ここの情報を使うのは自己責任でお願いしますね~。
Työkokeilun käytännöt ja säännökset- TE-palvelut
トュオコケイル?ティユォコケイル?…カタカナ化難しい。
職業体験「työkokeilu」とは
「työkokeilu(職業体験)」は、フィンランドのTE-toimisto(職業安定所)のサービスのひとつです。
企業や店で「お試し」で働くことができるサービスで、気になる職業を疑似体験することができます。
お試し期間中に、
- その職業は実際どんなものか?
- その職業が自分にあっているか?
- 自分の持っているスキルが通用するか?
などを確認し、就職のステップにするのが目的です。
キャリアチェンジや職場復帰を考えている人によく勧められます。
資格がいる職業の場合は、見学やお手伝いの形になります。
ちなみに、työ-は仕事、-kokeiluは試み、実験という意味。
たとえば、こんな感じの人が利用します(私が考えたケースで、必ず当てはまるとは限りません)。
「教師だけど今は仕事がない。
介護士の需要があるから老人ホームで職業体験して、自分に向いている職業か確かめたい」
「建設現場で働いていたけど腰を痛めて退職。
スポーツトレーナーに興味があるけど、まずジムの仕事を見学して体への負担が無いか知りたい」
「育児休暇で数年ほどデザイナーの仕事から離れていた。
職業体験で今の自分のスキルが業界で通用するか確かめたい。できれば就職に結びつけたい」
※自分がすでに経験している職業で職業体験するには、一定のブランク期間があることが条件です
職業体験はどこでできるのか?
職業安定所のサイトによると職業体験ができる場所は、
- 企業(会社、店など)
- 個人事業主
- 団体(自治体、協会)
- 財団、政府機関
- 工場(工房)
となっています。
シェフならレストラン、司書なら図書館、販売員ならスーパーマーケットといった感じ。
起業家として一人で職業体験することも可能なようですが、経験がないので割愛します。
期間はどれくらい?
期間はケースバイケースのようですが、最長で12月です。
同じ雇用主(受け入れ先)や同じ作業の場合は6ヶ月がマックスのようです。
とはいえ、通常は1~3ヶ月で十分とされています。
特殊なケースで無い限り、マックス1年できる可能性は少ないと思います。
一度、6ヶ月やりたいと言ったら3ヶ月で十分と言われました。
就業時間
就業時間は1日4時間~8時間、最大週5日です。
ただ「4時間だけでいいなら4時間で!」とはいかないようで、他の従業員のタイムスケジュールと合わせるのが普通なようです。
業安定所に確認ですね。
経験やスキルは必要?
職業体験には基本、経験やスキルは必要ありません。
ただし、食品を扱う仕事なら「hygieniapassi(衛生管理資格)」、工場などでは「työturvallisuuskortti(仕事安全カード…日本語化すると変ですね)」が要求されるかもしれません。
資格はいらないといっても、経験ゼロの人の受け入れを躊躇する企業や店もあります。
全体の流れ
全体の流れはこんな感じです。
- 求職者として職業安定所に登録
- 担当に職業体験をしたいと告げ、OKをもらう
- 職業体験をする場所(受け入れ先)を探す
- 受け入れ先を見つけたらフォームに必要事項を記入し、職業安定所に送り許可をもらう
- 職業体験をする
- 期間が終わったらアンケートに答えて終了
…以上が職業体験のザックリした概要です。
ここからは私の体験を書いていきます!
私の職業体験
私はフィンランドで職業体験を2回しました。
1回目は6年ほど前に高校のティーチングアシスタント、2回目はIT企業でコーダー(プログラマー)です。
高校のティーチングアシスタント(先生のお手伝い)
期間: 3ヶ月
時間: 週5日/1日8時間
これは未経験の職種なので、自分にあった仕事か見極める目的でやりました。
コーダー(プログラマー)
期間: 1ヶ月
時間: 週5日/1日7時間
こちらは日本でやっていた仕事と近いので、自分に足りないスキルを確認するのが目的でした。
職業体験の感想!
さて、フィンランドで職業体験やってみた感想はというと、かなり良かったです。
感じたメリットは以下の通り。
- 職業の向き不向きが解った
- フィンランドの仕事文化を知ることができた
- 業界の動向や、企業がどういう人材を求めているか解った
- 人との繋がりができた
一番良かったのは、「自分に何が足りないか」がよく解った点ですね。
- ティーチングアシスタント → フィンランド語能力が圧倒的に足りない
- コーダー → 自分のスキルがもはや時代遅れ
職業体験が終わったあとは、学ぶべきことがハッキリしました。
気になる職業があるなら、絶対にやるべきです!
仕事を得やすくなる
もうひとつの、仕事を得やすくなるメリットもあります(私は就職できてませんが…)。
職業体験した場所でそのまま働けるケースもあるようですし、履歴書に書けばプラス評価に繋がるかもしれません。
※残念ながら外国人名は就職に不利という調査があります。
大変だったこと
職業体験中はお手伝い、半社員といった形で楽しくできました。
やりがいもありました。
むしろ大変だったのは、受け入れ先探しの方でした。
二度目の職業体験では5、6社にメールで打診し、決まるまでに1ヶ月ほどかかりました。
「受け入れを行っていない」「すでに学生インターンがいる」と断られることが多かったです。
幸い、親切な起業家さんが受け入れてくれましたが、結構不安でした。
おそらく職業体験は断られることが多いのではないでしょうか。
私がした工夫
ちなみに、受け入れ先探しの際に次のような工夫をしました。
参考までに書いておきます。
受け入れの打診をする際、メールに履歴書とLinkedinのURLを添付しました。
Linkedinには笑顔の写真があったので、親しみを持ってもらえればと思いました。
単に「職業体験したいです」と書いてもスルーされると考え、やりたい仕事内容や期間をしっかり書きました。
知らない人もいるかもしれないので、職業安定所のサービスだと書きました。
職業安定所のリンクも貼っておきました。
私はしませんでしたが、メールのあとに電話するのも有効だそうです。
残念に思った点
最後に職業体験で反省している点を紹介します。
最初のティーチングアシスタントは3ヶ月でしたが、これは長すぎました。
職種によるでしょうが、期間は1ヶ月位がちょうど良いと思います。
というのも、私がついた先生の授業はよく休みになり、時間を持て余してしまったんですね。
1ヶ月のうちに数日暇な日があるのはOKですが、3ヶ月間くり返し暇な日を過ごすのは勿体ないです。
これもティーチングアシスタントの時の話ですが、実は本気で興味があった分野ではありませんでした。
「フィンランド語を学べたらいいな~、とりあえず職業体験するか~」というノリは良くなかったです。
むしろ、その後進学した医療系の職業体験をやるべきでした。
後悔はないですが、個人的に反省しています。
以上、参考になったら嬉しいです!
ではまた~。