『かもめ食堂』でフィンランド語を学びましょう!
2006年に公開された小林聡美さん主演の映画『かもめ食堂』。
フィンランドロケで話題になり、北欧好きの間ではおなじみの作品です。
未だにファンが多く「フィンランドと言えば、かもめ食堂!」とおっしゃる方もいます。
この映画を見て、フィンランドやフィンランド語に興味を持った方も多い様子。
そこで、『かもめ食堂』で学ぶフィンランド語企画を始めます。
※これは過去のブログ記事をリライトしたものです。
前知識はいりません。
映画に出てくるフィンランド語を楽しく学びましょう!
第一回は「かもめ食堂はフィンランド語でなんと言う?」です。
「かもめ食堂」はフィンランド語でなんと言う?
「かもめ食堂」はフィンランド語でruokala lokki(ルオカラ ロッキ)です。
DVDパッケージにも小説版の表紙にもruokala lokkiと書かれています。
もちろん映画でもお店のウィンドウにruokala lokkiの文字が。
ここでruokala lokkiを分解してみしょう。
合わせて「食堂かもめ」となります。
トンミくんが「カモメ?」と言ってお店に入ってくるのは、ウィンドウにlokkiと書かれていからですね。
ruokala lokkiの読み方
フィンランド語の読み方は、だいたいローマ字読みです。
そのため「ルオカラ ロッキ」と日本語のように言っても、おそらく通じます。
ただ、いくつかポイントがあります。
- Rは巻き舌
- Lは舌の先を前歯につけて英語のLのように発音
- アクセントは必ず頭
フィンランド語のRは巻き舌ですので、ruは「ゥル」とやるとそれっぽく聞こえます。
laとloはカタカナのラとロとほぼ同じです。
そして、アクセントは必ず単語の頭につけます。
イメージ的にはこんな感じです。
ゥルオカラ ロッキ
Ruokala lokki – Google 翻訳(スピーカーアイコンをクリックして発音確認)
映画では冒頭の「かもめ食堂じゃなくて 子ども食堂ね」と言うところでネイティブの発音を聞くことができます。
食堂とレストランの違い
さて、小林聡美さん扮する主人公サチエさんが「レストランじゃなくて食堂です」と言ったのを覚えていますか?
レストランはまた別の言葉があります。
レストランはravintola(ラヴィントラ)です。
フィンランドでは、
- レストラン=ravintola
- 学食、社食、食堂=ruokala
と、使い分けられています。
日本のレストランと食堂の使い分けと似ています。
なお『かもめ食堂』の撮影された場所はRavintola Kamome(ラヴィントラ カモメ)というレストランになっています。
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食堂にレストラン…じゃあカフェは?
レストランに食堂…とくればカフェの言い方も気になります!
カフェはフィンランド語でkahvila(カハヴィラ)と言います。
映画ではサチエさんとミドリさんが市場で買い物しているシーンで「kahvila」と書かれたテントが写っています。
-laは場所を表す
ところで、ruokala、ravintola、kahvila、この3つの言葉に共通点があるのに気が付きましたか?
気づいた人は素晴らしい。
最後にlaが付いています。
ruokala ravintola kahvila
フィンランド語ではlaが付く言葉は場所を指すことが多いです。
「laは場所を指す」と考えると、これらの言葉をさらに分解することができます。
ruoka – la
ruoka ルオカ
食べ物、料理
ravinto – la
ravinto ラヴィント
食べ物、料理、栄養物
kahvi – la
kahvi カハヴィ
コーヒー
-laが付くことによって、食べ物の場所、コーヒーの場所となるんですね。
ただ夫にこの話をしたら「そう言われたらそうかも…?」という反応でした。
ネイティブの人は意識してないかもしれません。
しかし、ruokala、ravintola、kahvilaを覚えられたら、6つの言葉を覚えたことになりますから3石6鳥です(笑)。
フィンランドでravitolaやkahvilaを見かけたら、「laは場所の言葉だな」と思いだしてくださいね。
第1回は以上です!
楽しんでいただけたなら嬉しいです。
なお、映画に出てきたフィンランド人青年、トンミ・ヒルトネンくんのその後はこちら。
フィンランドで俳優として大活躍しています。
「かもめ食堂」のトンミ・ヒルトネンは今。他のフィンランド人キャストも調べてみた
フィンランド語関連の記事はこちらにまとめてあります。
『かもめ食堂』を観る方法
『かもめ食堂』は400円でAmazon Primeで観ることができます。
『かもめ食堂』を読む
なお、映画に関する疑問は小説版「かもめ食堂」を読むとスッキリします。
なぜサチエさんがフィンランドで食堂をできたのか、などが書かれています。
片桐はいりさんのフィンランド生活を書いたエッセーもおすすめです。
映画がどのように撮影されたかも出てきます。