人間の適応能力はすごい。
どんな辺境な地でも、しばらく暮らすと慣れるものである。
私もフィンランドに7年住み、ずいぶんフィンランド仕様になったなぁ、と思う。
始めはおっかなびっくりだった日本人の移住者も、徐々に「前から暮らしていましたが、なにか?」という堂々とした雰囲気が漂うようになるから面白い。
一方で、フィンランド仕様になりすぎたり、日本とフィンランドの文化が混じって変な現象が起きることもある。
そこで今回は、フィンランド在住歴が長くなると日本人に起きる7つのあるあるを紹介しよう。
寒さに強くなる
フィンランドに住み始めると、寒さにめっぽう強くなる。
冬、マイナス3度の日に仕事に行くと「今日は暖かいですね」と会話が始まる。
真冬に0度だと不安になるくらいだ。
寒いものは寒いのだが「まあ、冬はこんなもんでしょ」と我慢できてしまうのだ。
日本に帰った時、プラス5度で友人が「寒い寒い!」と言っているのにビックリした。
みんみ
日本語、英語、フィンランド語がちゃんぽんになる
フィンランド語はローマ字読みが基本。
そのためフィンランド在住歴が長くなると、英語でもローマ字読みしてしまうようになる。
oneは「オネ」
liveは「リヴェ」
vintageは「ヴィンタゲ」
昔は、ヴィンテージを「ヴィンタゲ」と言うのを笑っていたが、気づけば自分もなんでもローマ字読みするように…。
日本語がおかしくなってしまうこともある。
フィンランド語の「ヤ・ユ・ヨ」は「ja ju jo」と書くため、スマホやPCで「ヤ・ユ・ヨ」を入力する時に「ジャ、ジュ、ジョ」と打ってしまう。
先日、「お好み焼き」を「okonomijaki」と書いてしまい「お好み邪気」と変換された。
さらに、家で英語、日本語、フィンランド語をごちゃまぜに話していると、
「luokkakaveri(クラスメート)とhangout(ブラブラ)してくるわ」
などという三ヶ国語ちゃんぽん状態になり、限定した人にしか通じない言語が生まれてしまう。
半袖、半ズボンで森を歩く人を見ると心配になる
フィンランドに対して、このビデオのような「白ワンピースの神秘的な少女が森を歩く」みたいなイメージをずっと持っていた。
たぶんこの本の影響。
しかし今は、半袖やスカートで森を歩く人を見るたびに「森なめたらあかんで!」と心配するようになった。
そしてこんなことを言ってしまう。
- あんな格好じゃ蚊に刺される
- 長ぐつはかないで、毒蛇に噛まれたらどうするんだ
- 肌だして地べたに座るなんて!マダニがいるかもよ!
1→ 夏のフィンランドは蚊がめちゃくちゃ多い。
森では大量の蚊が襲ってくる。
2→ フィンランドにはヨーロッパクサリヘビという毒蛇がおり、kyy(キュー)と呼ばれている。
結構噛まれる人がいて、薬局で緊急用の薬が売っている。
3→ 森や野原にいるマダニに噛まれると、感染症で死亡するケースもある。
punkki(プンッキ)と呼ばれる。
現金が懐かしくなる
フィンランドはカード社会。
どんな安いものもクレジットカードかデビットカードで買うので、現金派の日本人もカード払いになる人が多い。
私はジムのロッカー用の小銭と緊急用に20ユーロ持ち歩くくらいで、現金はほとんど使わなくなった。
そのため、たまーに現金を用意すると、
みんみ
と思う。
日本では、カフェでカード払いしようとしたら「クレジットカードは使えません」と言われ、コンビニまで走ったことがある。
日付の読み方に混乱する
日本では日付を「年、月、日」の順に書くが、フィンランドは「日、月、年」と逆さまに書く。
そのため、日本でうっかりフィンランド式に生年月日などを書いてしまう人がいる。
例.2019年2月27日
日本→ 2019.2.27
フィンランド→ 27.2.2019
ところで、アメリカ式の「月、日、年」が加わると、さらに訳が解らなくなる。
アメリカ→ 2.27.2019
2019の20が省略されて2.27.19と書かれることも…
前の職場ではアメリカ製の検査機器があったのだが、その表示が「月、日、年」で、間違えないかいつもドキドキした。
いろいろ幻想が消える
↑移住後の私はこんな風になると思っていた
フィンランドに来る前はいろんな幻想を抱いていた。
「北欧は医療費無料!」
「森と生きる…妖精が住んでる国★」
「みんなシャイで穏やか」
etc…etc…
しかし実際に暮らしてみると、
- 医療費 → 子どもは無料、大人は有料
- 森と生きる → 夫「蚊がでるからヤダ」
- 妖精 → フィンランド人「フィンランドの妖精?なにそれ?興味ない」
- シャイで穏やか → おしゃべりな人も多いし、結構悪態をつく
もちろん、森や妖精、精霊などに興味がある人もいるが、どうも予想していたのとは違うのだ。
ネイティブがよく使うフィンランド語の悪態、罵り言葉5選
みんみ
そして日本の「北欧スバラシイ!」系のニュースに「いやいや、実はね…」と一言言いたくなってしまう。
ただ社会福祉に関しては、期待以上に手厚く「幻想じゃなかった」と感動した部分も多いことを付け加えておく。
以上!
フィンランド在住の人はどれくらい当てはまっただろうか?
日本の方もおもしろがってくれたら嬉しい。
ではまた!