フィンランドの衛生管理の資格「hygieniapassi(ヒュギエニアパッシ)」を解説します!
こんにちは!フィンランド在住のみんみ(@mimmi_nurinpain)です。
今月、フィンランドで「hygieniapassi(ヒュギエニアパッシ)」のテストを受け合格しました!
hygieniapassiとは、フィンランドで飲食を扱う仕事で必要とされる衛生管理の資格です。
飲食業だけでなく、掃除や介護の現場でも必要とされることもあります。
フィンランド就職するなら取っておいて損はありません!
※テストはフィンランド国内でしか受けられません
というわけで、勉強方法、資料リンク、合格のコツなどもまとめてみました!
フィンランドの衛生管理資格「hygieniapassi」
フィンランドで食品を扱う仕事する場合、「hygieniapassi(ヒュギエニアパッシ)」という資格が必要になります。
hygienia-は衛生、-passiはパスポートという意味で、合わせて「衛生パスポート」となります。
これは飲食に関するもので、
食品を安全に扱う知識を持っていますよ~。
食中毒を起こさない配慮ができますよ~。
問題があった時も行動できますよ~。
…といったことを証明する資格です。
hygieniapassiはいつ必要?
先ほど「食品」と書きましたが、正しくは「包装されていない食品、生鮮食品(傷みやすい食品)を扱う仕事」「一般的に食品を扱う仕事」で必要です。
傷みやすい食品は、たとえば肉や魚などですね。
レストランやカフェ、食品加工工場での仕事が当てはまります。
老人ホームや幼稚園など、食事を出す場で必要なこともあります。
- レストラン
- カフェ
- 食品加工工場
- 食品を提供するコンビニ
- 老人ホーム
- 幼稚園
などなど
なお正社員、バイト、研修生など、肩書き関係なく資格が必要です。
※仕事を始めて3ヶ月はhygieniapassiナシてもOKという猶予期間はあります
日本だと無資格でOKでも、フィンランドは厳しいんですね~。
フィンランドを舞台にした映画『かもめ食堂』では日本人女性が食堂を切り盛りしますが、全員hygieniapassiが必要です。
おにぎり握ってますからね。
hygieniapassiがいらないケース
仕事内容によっては不要なこともあります。
飲食店でもレジの仕事なら資格はいりません。
未包装の食品、生鮮食品を扱わないからです。
資格がいらないケースはこちらのPDFにまとめられています(フィンランド語)。
といっても「必須じゃないけど、あれば優遇します」と書かれていることも多いです。
受験、取得の流れ
資格取得の流れは4ステップです。
- 受験申し込み
- 受験料42ユーロを払う
- 当日会場へ行く
- 合格すれば証書とカードが送られてくる
テストは何度でも受け直すことができます。
頻繁に試験が行われているので、都合に合わせて申し込めばOKです。
移民向けフィンランド語コース、調理師養成コースなどでは、資格取得が授業に組み込まれている場合があります。
受験料がタダになったりするので、これらのコースに進む人は慌てて取る必要はないと思います。
テストの出題形式
テストは○☓問題で、40問出題されます。
34問に正しく答えられれば合格です。
制限時間は45分です(1問あたり1分ちょっと!)。
例えば「表面にカビが生えたジャムでも、カビの部分を取り除けばお客さんに出しても良い。」という問題だった場合、「出しても良い」と思えば「正しい」にチェック、「出してはいけない」と思ったら「誤り」にチェックを入れます。
1,000ほどの質問の中から40問選ばれるようで、いつも同じ問題が出される訳ではありません。
テストのサンプルはこちらで見られます。
テスト後に答え合わせをしてくれて、合否がその場で解ることが多いよ。
フィンランド語以外でも受けられる
さて、受験でネックになるのがフィンランド語。
問題を理解できるか不安かもしれません。
実はhygieniapassiのテストは、フィンランド語以外でも受けることができます。
主にスウェーデン語と英語ですが、その他の外国語でも受けられます。
日本語でも受けられるらしいですが、レアケースのようです。
フィンランド語がダメな人は英語がいいかもしれません。
↓日本語の受験日が出てこない。おそらく希望者がいないんでしょうね。
Hygieniapassi – Hygieniapassitesti japani
テストは初級でもなんとか解けるレベルだと思います。
中級者は専門用語を抑えておけばOKです。
特別措置のあるテストを受ける手も…
もし「英語も苦手」「そもそもテストが苦手」「読むのに時間がかかるタイプ」なら、特別措置のある試験を受ける手もあります。
外国人や読み書きに困難がある人を対象にした試験です。
制限時間がなく、簡単なサポートを受けられます。
erityistilannetesti(エリテュイスティランネテスティッ)と呼ばれます。
私もこの試験を受けたのですが、次のような配慮がありました。
- 制限時間がない
- 試験官が問題を読み上げてくれる
- 試験官が問題の意味を噛み砕いて説明
- 試験官に質問できる
- 辞書の持ち込みOK
テストの難易度がグッと下がるので、不安な方におすすめです。
詳しくはこちらに書いてあります。
Hygieniapassitestit eri kielillä ja testien erityistilanteet
サポート付きでも一緒にテストを受けた受験者の半分は落ちてたよ。
運もあるから結果を気にしすぎないようにね!
hygieniapassiの勉強方法
ここからは勉強方法です!
実は私、このテストを3回受けています。
つまり2回は不合格でした(泣)。
勉強しなかったら落ちました!
常識でわかる問題もありますが、細菌が死ぬ温度や清掃の順番などは知っていないと答えられません。
独学なら一週間くらい準備しましょう!
私がやった勉強法はこの3つです。
- hygieniapassi講座へ行く
- 資料を読む
- オンラインの練習問題を解く
①hygieniapassi講座へ行く
最初に私がやったのは、hygieniapassi講座へ行くことでした。
(といっても参加できたのは数回でしたが…)
私が行った講座は外国人向けのもので、よく出てくる単語や出題傾向、コツなどを教えてくれました。
資料もくれました。
勉強中に浮かんだ疑問を聞けるのがありがたかった!
職業安定所のもの、EU等が出資している移民向け就職支援プロジェクトがおすすめです。
受験料を出してくれる場合もあります。
②資料を読む
次に資料読みです。
自分に合った資料を選んで、目を通しました。
hygieniapassiの資料はネットに結構ころがっています。
簡単なフィンランド語で、よくまとまっているのはこのPDFです。
言葉の解説もついていて解りやすいです。
もうちょっと難しくて大丈夫ならこちら。
図書館にも外国人向けの解説書があったと記憶しています。
③オンラインで練習問題を解く
最後にオンラインにある練習問題を解きまくりました。
こちらはhygieniapassiの元締めであるフィンランド食品安全局のサンプル問題です。
まずここの問題を解いて、感覚を掴みました。
Sähköinen mallitesti – Ruokavirasto
下記の練習問題にもお世話になりました。
有料の問題もありますが、無料のものだけでも良い勉強になります。
間違ったところは解説を読んで復習!
Hygieniapassitesti | Hygieniapassi
もうひとつ役に立ったのがこのサイト。
ゲーム感覚で食品衛生を学べます!
合格のコツ
ここでもうひと押し!
私なりの合格のコツを紹介します。
「電子レンジで加熱すれば、すべての細菌が死ぬ」
「果物が食中毒を起こすことは絶対に無い」
こういった断定の強い言葉に注意しましょう。
「誤り」の可能性が高いです。
注意すべき言葉
- いつも
- すべて
- 絶対
二分の一の確率で正解します!
無回答はもったいない!
間違った回答をしても点数がマイナスされることはありません。
テストの全ての問題に回答しましょう。
○☓問題って、どちらかの回答が連続すると不安になりますよね(笑)。
5問連続で「正しい」だったりすると、「次は誤りでは?」と思ってしまいます。
しかし3回テストを受けましたが、「正しい」「誤り」の数は均等ではありませんでした。
7問連続で「正しい」だったこともあったような…
自分を信じましょう!
出題された問題
さらにダメ押し!
私が受けた時に出た問題を一部紹介します(うろ覚えなので、あくまで参考程度に)。
「+」マークで開閉します。
知りたくない人はスルーしてくださいね。
- 微生物は食中毒を起こす可能性がある
- 電子レンジで加熱しても、食品についている微生物が全て死ぬとは限らない
- 腐った食品を腐っていない食品と置いておいても影響はない
- 果物が食中毒を起こすことは絶対にない
- 食中毒を起こす微生物は例えばサルモネラやエルシニアだ
- 一度解凍した食品をもう一度冷凍しても問題ない
- 家禽類は75度以上で加熱する必要がある
- 器具や床を水洗いをした後は、乾かさねばいけない
- 調理具は床で洗っても良い、なぜなら同じ洗剤を使うから
- 食品を販売する店にペットを持ち込んでも良い
- 床に落としたステーキでも素早く拾えば給仕してよい
- 運送トラックに正しく載せられた肉や魚は、常温で数時間置いておいても良い
- ハンドドライヤーで手を乾かすのは衛生的ではない
- 手は紙製のハンドペーパーかローラ-型の手拭きを使って拭く
- レストランと従業員の休憩スペースの掃除用具は分けるのが良い
- 木製の料理器具は食中毒のリスクを上げる
- 観葉植物と食品は、できるだけ離して販売するべきだ
- 品質管理には従業員の教育なども含まれている
リンク集
最後に関連リンクをまとめました。
Hygieniapassiの元締めである食品安全局のサイト。
概要が載っています。
hygieniapassi情報や受験申し込みができます。
関連情報も載っているので、解らないことはここでチェック!
Hygieniapassi – Helsinki Turku Jyväskylä Oulu Tampere
勉強用マテリアル(フィンランド語)
こちらは勉強用マテリアルです。
外国人向け資料。
一般資料。
勉強サイト。
練習問題。
Hygieniapassitesti | Hygieniapassi
以上です。
テストを受ける人、がんばれ~!