環境問題を扱ったドキュメンタリー映画を紹介します!
こんにちは!フィンランド在住のみんみ(@mimmi_nurinpain)です。
ここ最近、世界であらゆる環境問題が叫ばれています。
しかし、「興味はあるけど、あんまりピンと来ない」という人も多いのではないでしょうか?
そんな時におすすめなのが、環境問題を扱ったドキュメンタリー映画です。
「ドキュメンタリー映画ってつまらなそう」と思うかもしれませんが、実は良作の宝庫。
美しい映像と工夫をこらした編集で、世界で起こっている問題を知ることができます。
ということで今回は、環境問題を扱ったおすすめドキュメンタリー映画を9作品えらびました。
*環境問題が含まれる別のテーマの映画も混ざっています
基本的にネットフリックスで観られるものが中心ですが、一部Amazonプライムでも扱いがあります。
では行ってみましょう!
※トレーラーは英語ですが、ネットフリックスでは日本語字幕(一部吹き替え)がついているのでご安心を!
プラスチック・オーシャン(2013)
少年のころから「いつかクジラの映画を作る」という夢を持っていたクレイグ・リーソン監督。
40年後、念願かなってスリランカ沖でクジラを撮影することになります。
しかし、海で発見したのはクジラだけでなく、大量のプラスチックゴミ。
そこで海のプラスチック汚染について調査を始めます。
プラスチックによる海洋汚染と、その害を追ったドキュメンタリー映画です。
私たちの身近にあるプラスチックがいかに膨大で、いかに海に流れ着くか知ることができます。
環境系ドキュンタリー映画「プラスチック・オーシャン」が伝える悲しい数字
プラスチックゴミは海を汚すだけでなく、生物にも影響を与えます。
水鳥の胃から発見されるプラスチックの量には、誰もがショックを受けることでしょう。
鑑賞後はペットボトルの水一つ買うのも、ためらうはずです。
- 水筒を使う
- 使い捨てストローを使わない
- マイバッグを持つ
- カトラリーを持ち歩く
などなど。
「私に何ができるかな?」と考えるきっかけを与えてくれます。
どこで観られる?
ネットフリックスで観ることができます。
(しかし今日検索しても出てこなかったので、契約の際はご注意を)
ビル・ナイ: 科学の伝道師(2017)
ちょうネクタイで登場し、教育番組で子供たちに科学のおもしろさを伝えてきたビル・ナイが、科学根拠の重要性を説き、気候変動懐疑派らと真っ向から対立する。
こちらは科学と宗教、地球温暖化とその懐疑派の対立をテーマにした作品。
…まず日本人には「ビル・ナイって誰?」って感じですよね(笑)。
ビル・ナイは長年、アメリカの教育番組で科学を教えてきた「子どもたちのヒーロー」です(同じ名前の俳優がいますが別人です)。
そんな彼が、科学より聖書を信じるキリスト教原理主義者と公開討論に臨みます。
結果はビルの勝利!に見えたのですが…なんと公開討論を見た信者が教会に寄付。
そのお金で科学をまるで無視した方舟ミュージアムが完成してしまいます。
ドキュメンタリーでは、ビル・ナイが反科学と戦う様子を追います。
私たちは「科学的なデータを見せれば人々は納得するだろう」と考えます。
しかし、そう簡単には行かないことを、このドキュメンタリーは教えてくれます。
宗教の力が強くなり、アメリカではきちんと科学を学べない子供たちが増えています。
日本人から見たら笑ってしまう「恐竜と人間が同じ時期に生息していた」なんて話も、ある宗派の信者は真剣に学びます。
見ていて背筋が寒くなるシーンがいっぱい!
*特定の宗派の話で、信者みんながそうじゃないですよ
温暖化懐疑派との会話は、見ているこっちがドキドキ。
気候変動に興味がある人におすすめです。
なおこれに関連して、キリスト教福音宣教会の子供のサマーキャンプを撮った『ジーザス・キャンプ ~アメリカを動かすキリスト教原理主義~ (2006)』もおすすめします。
ザ・ミルク・システム(2017)
グローバル化した酪農生産の光と影、知られざる犠牲とその結末。酪農家、科学者、業界の人々が、酪農が直面する現実を詳細に語り、未来への解決策を提言する。
イタリア、ドイツ製作の酪農業界を追ったドキュメンタリー映画です。
酪農というと牧歌的なイメージを持つ人が多いでしょうが、ヨーロッパの酪農業界の裏側は…という話です。
映画では、大企業による搾取、政治問題、環境問題などが絡み合う、決して健康的とは言えない「ミルクシステム」を観ることができます。
これはヨーロッパだけの話と思いきや、過剰に作られたミルクがアフリカへダンピングされるなど、世界への影響もかなり深刻です。
それなのに酪農家は大量生産を迫られる…というから狂っているとしか思えません。
しかも環境に悪く、牛への負担も増すばかり。
大企業だけが得をするミルクシステムは「負のシステム」と言えるでしょう。
日本の酪農業界は事情が違うと思うので分けて考えるべきですが、身近な問題として一見の価値があります。
どこで観られる?
ネットフリックスで観ることができます(2019年9月現在)。
ミッション・ブルー(2014)
魚の乱獲や有毒廃棄物の脅威から母なる海を守れー人類の自然破壊に警鐘を鳴らし続け、精力的に活動を続ける海洋学者シルビア・アールを追ったドキュメンタリー。
多様な生物が棲み、美しく、豊かな場所…私たちは海がずっとこのような「楽園」であり続けるような気がしています。
しかし、本当にそれはこの先も変わらないのでしょうか?
乱獲や水質汚染は、海に確実に影響を与えています。
これは単なる漁業関係者の問題ではないことを、この作品は訴えています。
海洋学者のシルビア・アールの半生を描くとともに、環境保護を訴える活動を観ることができます。
日本人は魚をよく食べますが、それは豊かな海があってこそ。
しかし、私達は「とりすぎ」「やりすぎ」なようです。
*私はヴィーガンなので食べませんが
アール氏は日本の築地市場も訪れるのですが、魚を見つめる彼女の悲しそうな顔は忘れることができません。
魚はおいしいです(大好物でした)。
でも、専門家が語る言葉にもっと耳を傾けるべきでしょう。
乱獲や海洋汚染の問題を知りたい方へ。
どこで観られる?
ネットフリックスで観ることができます(2019年9月現在)。
チェイシング・コーラル -消えゆくサンゴ礁-(2017)
ダイバーと科学者、写真家らが結成したチームが海底で目にしたのは、気候変動により枯れ果てゆくサンゴの姿。この厳しい現実が、見る者の心に鋭く突き刺さる。
海水温の上昇などによって、絶滅の危機にあるサンゴ。
しかし、実際にどれくらい死滅しているか、どれほど深刻なのかピンと来ない人も多いはず。
このドキュメンタリーでは、定点カメラでサンゴが死にゆく様子を収め、事の深刻さを訴えています。
死ぬ間際に発光するサンゴの断末魔は、見る人の心に残ることでしょう。
サンゴが絶滅の危機、と言われても「へー大変だねー」で済ませてしまう人が多いのではないでしょうか。
しかし、この映画を見ると「海ヤベーーーー!」となると思います。
当たり前ですが、サンゴが死ぬと魚たちも消えます。
決して他人事ではありませんし、一瞬ですが日本も出てきます。
温暖化と海の関係に興味がある方におすすめです。
どこで観られる?
ネットフリックスで観ることができます(2019年9月現在)。
cowspiracy サステイナビリティ(持続可能性)の秘密(2014)
地球の資源を破壊する工場式農業。地球環境保護を訴える環境団体がこの深刻な問題に触れない理由とは?環境問題のタブーに鋭く切り込むドキュメンタリー。
「シャワーを短くし、節電し、車を使わず自転車でがんばっているのに、環境問題が悪化するのはなぜ?」
物語は、監督のこんな疑問から始まります。
ことの真相を追って、公共機関や環境保護団体に取材を試みる監督ですが、「ある話題」を出すと皆口を閉ざしてしまいます。
その「ある話題」とは?
環境問題の本当の原因は?
…というお話です。
カウスピラシーは、世界中の人をヴィーガンにした超話題作です。
私もこれを見てヴィーガンになりました。
巷ではヴィーガン映画と呼ばれている通り(?)、工場畜産を批判した映画です。
しかし、残酷なシーンがあるわけでなく、数字や図を用いて畜産業が環境へ与えるインパクトを解りやすく説明してくれます。
注目は、今アマゾンの森林火災の原因と言われている牛の放牧、家畜の飼料を作る畑の問題を2014年にこの映画が話題にしたこと。
地球温暖化や環境問題に興味がある人は必見の一本です。
どこで観られる?
ネットフリックスで観ることができます(2019年9月現在)。
地球が壊れる前に(2016)
人類が引き起こした地球温暖化の末路とは。それを逆行させる術は果たしてあるのか。レオナルド・ディカプリオが世界中を駆け巡り、答えを探し求める。
国連平和大使に選ばれたレオナルド・ディカプリオ。
彼が世界中のあらゆる場所を巡って環境問題をレポートします。
地球温暖化による影響を、いろいろな角度から観ることができる作品です。
彼がアカデミー賞で主演男優賞を得た『レヴェナント:蘇えりし者』の撮影では、雪のある風景を探すのに一苦労したらしいのですが、本当にいつか雪が「珍しいもの」になる時が来るかも…と思わされます。
レオナルド・ディカプリオは環境問題に関心が高いことで有名です。
さきほど紹介した『カウスピラシー』にも製作総指揮として関わっています。
アマゾンの森林火災にも、500万ドルを寄付したことが話題になりました。
個人的には、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のジョーダンのような、どうしようもない役の彼が好きなんですが(笑)、環境に対する関心はすばらしいの一言。
ハリウッドセレブに何ができるの?という批判もあったようですが、なんのなんの、専門家でないからこそ見えてくる視線が視聴者には新鮮です。
温暖化に興味がある方はぜひ!
どこで観られる?
Amazonプライムで観ることができます。
地球が壊れる前に (字幕版)をAmazonプライムでチェック
ネットフリックスでも視聴可能です(2019年9月現在)。
ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~(2015)
ファッション業界でも大量生産・大量消費が問題化
誰かの犠牲の上に成り立つファッションに変化が起き始めた!
トレンドはエシカル&フェアトレード・ファッション
ファッション産業の今と、向かうべき未来を描き出すドキュメンタリー
ファストファッションの台頭により、驚くほど安い服が売られるようになった現代。
おしゃれな「安い服」を「賢く」着回すことが持て囃されるようになりました。
しかし、本当にそれは安くて賢い選択なのでしょうか?
低コストで作られた服により、私達が払う本当の代償(トゥルー・コスト)とは?
このブログでも定期的に紹介している『トゥルー・コスト』ですが、内容はかなり衝撃的です。
華やかなファッション業界の裏に環境問題、労働(人権)問題が大きく絡んでることに、驚くことになるのでは。
例えば、バングラデシュで起きたラナプラザの崩壊事件です。
低コストで服を作るために、貧しい人々が低賃金、長時間で働かされていただけでなく、老朽化した工場が崩壊し1134人が亡くなりました。
だれが服を作り、生産過程で何が起きているのか、環境へはどのような影響があるのか…私たちは知るべきです。
環境問題、人権問題、労働問題などに興味がある人におすすめです。
どこで観られる?
Amazonプライムで観ることができます。
ネットフリックスでも見られたと思いますが、今日検索したら無かったので契約の際は確認を。
アイボリー・ゲーム(2016)
象牙の密売ネットワークは世界規模だ。その影でアフリカ象は確実に絶滅へと近づいている。密猟、転売、公然と売られる現場に潜入した衝撃のドキュメンタリー。
印鑑、アクセサリー、装飾品…数は減ってきているものの、まだ身の回りにある象牙。
その象牙のために、アフリカ象の数が激減しています。
どんなに法律で禁止されようと、象牙を買う人がいる限り密猟はなくなりません。
アフリカやアジアの闇販売ルートを追ったドキュメンタリーです。
映画には、闇ルートを調べるため潜入捜査する活動家がでてきます。
バレたら殺されるかもしれない、命がけの捜査。
思わず手に汗握る展開が待っています。
(同時に、活動家の勇気には頭が下がります)
一方、密猟が貧困と結びついていることは忘れてはいけません。
また密猟はしなくても、象に作物を荒らされた人々が「象を殺そう」と言うシーンは問題の複雑さを伝えています。
動物問題に興味がある人は必見です(悲しいシーンも多いので元気のある時に見てください)。
どこで観られる?
ネットフリックスで観ることができます(2019年9月現在)。
以上です。
観たい作品は見つかりましたか?
ハリウッド大作も良いですが、たまにはドキュメンタリー映画も良いですよ!
ではまた~