ヴィーガンはあくまで手段では?と考えた話【結論なし】

こんにちは!フィンランド在住8年目のみんみ(@mimmi_nurinpain)です。

2017年11月からヴィーガンになりました。
いくつかの例外を除いて、動物性食品、製品を消費しない生活を送っています。

ヴィーガンは動物を搾取しないために、

  1. 動物性の食品を食べない
  2. 動物性の製品を消費しない
  3. 動物を使ったサービスを利用しない

などを実践します。
*健康のために行うダイエタリーヴィーガンを除く

しかし最近、この①と②について「このルールは絶対じゃないかもしれない」と考えることがありました。

動物利用OKと言いたい訳ではありません。
①と②にこだわることで、目的と手段が混同されてしまうケースがあるのでは?ということです。

そこで今回は、「動物性のものを避けることがヴィーガニズム的に常に正しいか?」について考えたいと思います

タイトルにもありますが、結論は出ていません。
みなさんの意見を聞ければ嬉しいです。

捨てられるチキンを食べるべきか

先日、夫、友人とでレストランへ行きました。
私はヴィーガン・プレート、夫はポーク、友人はチキンを頼んだと記憶しています。

私は人の食べるものには口出ししません。
ヴィーガニズムの話題が出れば菜食をすすめます。

料理が来ると、そのボリュームに驚きました。

友人の皿には大きなチキンが3切れドドーンと鎮座していました。
夫のポークもドーン!
つけあわせのポテトもドーン!

友人は小柄な女性なので、食べ切れるか心配になりました。
案の定、友人は「もう食べられない」とチキンを残す羽目に…。

友人は夫に「これ食べない?」と聞きましたが、「ぼくもお腹いっぱい」と断られていました。
(ヴィーガンの私はスルー)

その時、こんな考えがよぎりました。

このチキン、私が食べても良いかも?

ヴィーガンの私は動物性のものは食べません。
しかし、残されたチキンは捨てられる運命です。

食料廃棄を減らすには食べた方が良いのでは?

私が食べても鶏に苦痛は生み出しませんし、環境面ではメリットしか浮かびません。
チキンであっても、食べることが正解な気がしてきました。

「そのチキン、私が食べようか?」

その言葉が出かかりました。

しかし、

  • ほら、やっぱり肉が食べたいんでしょ
  • ヴィーガンなのに、結局は肉を食べるのか

などと思われては困ると考え、結局は手を付けませんでした。
※友人はそんなことを思うタイプではないですが

食料廃棄 or 動物性食品の回避

この後、ヴィーガニズムにこだわらずチキンを食べる方が正解だったかも?と考え込んでしまいました。

私は動物の苦しみを減らし、環境を守るためにヴィーガンをしているのであって、「動物性のものを避ける」は手段です

食べ物を捨てることに罪悪感は感じますし、実際、良いことでもないです。

答えを求めて、ヴィーガニズムの定義を確認してみました。
こちらはThe Vegan Society(ヴィーガン・ソサエティ)のもの。

Veganism is a way of living which seeks to exclude, as far as is possible and practicable, all forms of exploitation of, and cruelty to, animals for food, clothing or any other purpose.

ビーガニズムとは、食品、衣類、その他あらゆる目的のために動物を搾取したり、残虐行為を行うことを実行可能な限り排除しようとする生き方。
(↑自分で訳しました)

Definition of veganism | The Vegan Society

うーむ。
これだけじゃ答えは見つかりませんね(汗)。

「実行可能な限り排除」とありますが、このチキンも避けるべきでしょうか?

ヴィーガニズムは手段?

念の為に言うと「なんだかんだ理由をつけて肉や魚を食べたい」とかではないです。

むしろ屠殺動画を見すぎて、肉は気持ち悪いと思うことすらあります(味は嫌いではないですが…)。

しかし食品ロスの問題から、食べ物も捨てたくない。

【エコ】家庭の食品ロスを減らす10の方法【簡単】

 

徐々に、「ヴィーガンだから」と動物性のものを避けるのは常に正解ではないかも、と考えるようになりました。

もちろん、例外があることは前提ですが、
今回のような場合、動物性食品でも食べることがプラスになるのでは、と。

動物性回避がエコでない時

似たようなことは前から考えていて、例えば私は中古品に限って動物性のものも買います(ウールのセーターなど)。

新たな需要を生み出さないと判断したのと*、リサイクル文化をサポートしたいからです。
*詳しくは下記の記事で

ヴィーガンが動物性の中古品を買うのはアリか?

 

ただ、グレーゾーンのものもあります。
例えば、リサイクルレザーです。

以前、知人に「リサイクルレザーを使った腕時計を友達が作ってる。ブログで紹介してはどうか?」と勧められました。
レザーは廃棄予定のものを再利用しているとのこと。

ヴィーガンでないので断りましたが、取り組みは悪くないと思いました。

 

また少し前に話題になったダンプスター・ダイビング。

ダンプスター・ダイビング(ゴミ漁り)

近年は環境のために廃棄食品や製品をゴミ箱から救出して再利用するムーブメントがある。もちろん単なる転売目的の場合も。

この場合、見つけたものは動物性であろうと、なんでも使うのが正解です。

↓アメリカのWalmartの廃棄がエグい。

目的と手段を混同しない…でもそう単純じゃない

よく「目的と手段を混同してはいけない」と言われます。

目的 → 動物や環境を守る
手段 → ヴィーガニズムの実践

ヴィーガニズムはあくまで手段です。
手段にこだわり過ぎることで、目的達成に支障がでては元も子もありあせん。

しかし、そこまでシンプルに割り切れないとも感じます。

たとえば冒頭のチキン。
捨てられると解っている場合は食べた方が良いかもしれません。

しかし、誤解されがちなヴィーガンのイメージを守るためにも、一貫性を示して断固拒否!が正しいかもしれません。
(もしくはレストランに量が多いと伝えるとか)

一方「信念にこだわりすぎるヴィーガンは食べ物をムダにしている」という印象を与えるリスクもあります。

ケース・バイ・ケースなので、決まった答えはないでしょう。
しかし、こういう迷いが出た時、指針が欲しい気もします。

結局は常に「ベター」を探すしかないのでしょうが…。
他の方はどう対処してるんだろう…。


ヴィーガンも一年半が過ぎると、あらゆる場面に遭遇します。
その都度考えるのですが、答えが出ず、途方に暮れてしまう時も少なくありません。

無邪気に好きなものを買っていた時期を懐かしく思う2019年8月でした。

ではまた。

 

ヴィーガン関連書籍。