海外のヴィーガンのビデオを見ていたら「ヴィーガンがリサイクル・ショップで動物性の中古品を買うのはアリかナシか?」という話が出てきた。
ヴィーガンは動物性の食品、製品、サービスを利用しない、もしくは最小限に留める人のことを指す。
そのためヴィーガンは肉、魚、乳製品は食べないし、毛皮や革製品も買わない。
競馬や闘牛なども拒否するのが基本。
しかし「リサイクル・ショップで中古品を買うのはどうよ?」という問いには、意見が分かれるようだ。
ヴィーガンは動物性の製品を消費しないことで需要を減らし、意思表示をしているが、中古品の場合は消費に加担していない、もしくは加担の度合いが少ないのでグレーゾーンである。
今回は「ヴィーガンが動物製の中古品を買うのはアリか」について考えをまとめてみた。
なお記事内の中古品の定義は、個人の不用品、寄付された品、アンティークを指す。
ブランド品を専門に扱う質屋、古着屋、アウトレット、倒産店の商品の転売などは含まないこととする。
動物性の中古品、アリ?ナシ?
結論から言うと私は「中古なら一部を除いてOK」である。
理由は以下の3点だ。
理由1 需要の増加にはほぼつながらないから
- 持ち主やリサイクル・ショップにお金は入るが、元のブランドの売上にはならない=需要があると認識されない
- 以前の持ち主が同じ商品を再購入することはまず無い
- 有名ブランドの商品でも無い限り、使用済みを売ることを考えて購入する人は極めて少ない
リサイクル・ショップに売られている商品は、すでに消費されてしまった「後の祭り」商品。
ボロボロになるまで使い切るのがエコであり、動物へのせめてもの弔いであろう。
少なくとも私がよく行くリサイクル・ショップ(屋内フリーマーケット。フィンランド語ではキルップトリと言う)は、個人の不用品が主なので、転売目的に買われた商品はほぼ無い。
私が買っても動物性の商品の需要が拡大するとは考えにくい。
例外としてオーナーが買い付けをするようなリサイクル・ショップの場合は控えた方が良いかもしれない。
理由2 良いものを長く使うのはエコにつながる
- 質の良い動物性商品は、繰り返し使え、長持ちする
- 過剰な加工がされていない限り、動物性の素材は自然に還るという点で環境に優しい
繰り返しになるが、すでに消費されてしまった商品はボロボロになるまで使い切るのがエコである。
丈夫な革靴、暖かいウールのセーターなどは長く使えるアイテムとなるだろう。
プラスチックなど環境に悪いマテリアルを避けるという観点からも、「中古品に限って言えば」環境に優しい選択になるかもしれない。
ただ「動物性の商品の宣伝になってしまう可能性がある」という点は注意したい。
毛皮、動物の骨、象牙などの角、体の一部など、特に見た瞬間に本物とわかる物は避けるべきだろう(悲しくなるので欲しいとすら思わないが)。
とは言え、革製品やウールなどの衣類の場合は本物と見分けがつかない合皮や化学繊維も多いので宣伝にはならない、というのが私の見解だ。
理由3 ヴィーガンを続けるハードルを下げる
ちょっとヴィーガンの視点を持って買い物に行ってもらえば、この世にいかに動物性の製品であふれているか解るだろう。
ポリシーを持ってやっているので苦ではないが、買い物は以前より明らかに制約されている。
ハードルを上げすぎて「あれもダメ、これもダメ」とやって疲れてしまわないため、私は中古品ならゆるいルールでOKとしている。
ゼロ・ウェイストの観点からも、中古ならファストファッションもOK。
快適なヴィーガン生活を送り、他の人にも気軽に挑戦してもらえるように、この辺はゆるくてもいいじゃないか、というのが私の考えである。
以上。
ヴィーガンと言っても、目的もやり方もそれぞれ違うし、正解は無いだろう。
ぜひ他のヴィーガンの意見も聞いてみたい。