フィンランドでは何語が話されている?公用語とそれ以外の母国語トップ5

フィンランド、公用語以外の外国語

この記事では、フィンランドの公用語と、それ以外の母国語トップ5を紹介する。

助手さん
助手さん

フィンランドではフィンランド語とスウェーデン語が話されているよね。公用語が2つっておもしろい。

みんみ
みんみ

確かに!公用語ではないけど、サーミ語のニュースも流れたりするよ。

助手さん
助手さん

北フィンランドにはサーミ人が多いらしいね。
でも何語か解らない言語もよく聞こえてくるよ。

みんみ
みんみ

移民が増えてるからね。じゃあ、外国語を母国語とする人について調べてみようか

フィンランドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語。また公用語ではないが、サーミ語も(準)オフィシャルな言語として扱われることもある(サーミ語のニュースが流れるなど)。

しかし、ヘルシンキの街を歩くと、他にもあらゆる言語を聞くことができる。観光客の場合もあるが、外国語を母国語とする移民や難民、二世が増えているのだ

そこで今回は「フィンランドの公用語と、それ以外の母国語を持つ人の割合トップ5」を紹介しよう。

フィンランドの公用語と、それ以外の母国語TOP5

国際色豊かなヘルシンキの町並み

フィンランドの人口は約550万人。そのほとんどがフィンランド語を母国語とし、スウェーデン語を話す人は5%ほどと言われている

  • フィンランド語を母国語とする人 約490万人
  • スウェーデン語を母国語とする人 約30万人
  • サーミ語を母国語とする人 約2000人

2018年 Väestö | Tilastokeskus

さて、フィンランドの地方紙サボン・サノマットの記事によると、フィンランドにはあらゆる母国語持つ人が暮らしており、言語の数は160にも登るそうだ。

Suomessa puhutaan jo lähes 160:tä kieltä – Savon Sanomat

フィンランド統計局の調査では、上記3つの言語をのぞいて、2017年時点でフィンランド在住者の母国語で多いのは、ロシア語、エストニア語、アラビア語、ソマリ語、英語だという

  1. ロシア語 (77,177人)
  2. エストニア語 (49,590人)
  3. アラビア語 (26,467人)
  4. ソマリ語 ( 20,007人)
  5. 英語 (19,626人)

Vieraskieliset | Tilastokeskus

ロシア語話者が多い理由

ロシア語話者が多い理由

フィンランドにロシア語を母国語とする人が多いのはなぜだろう?隣の国だから引っ越しやすい、そもそも人口が多いからだろうか?

一般的には次のような理由が考えられる。

  • フィンランド人と結婚
  • 仕事
  • ロシア語を話す親の子ども

しかし、ここで忘れていけないのが「里帰り移民」の存在だ。

里帰り移民とは?

Inkerin liput
↑イングリアの旗

里帰り移民とは、フィンランドに移住した(帰国移住した)フィンランドにルーツを持つ人々を指す

  • かつてフィンランド国籍を持っていた人
  • 生まれつきフィンランド国籍を持っていた人の子孫
  • ソビエト連邦出身のイングリア・フィン人*で、第二次世界大戦中にフィンランドに移住させられ、後にソビエトに帰国した人、またはフィンランド軍に勤めていた人

…などである。

なお、この里帰り移民の家族にも在留許可が与えられた。彼らの多くが、ロシア人/旧ソ連人というわけだ。
※この里帰りシステムは2011年に終了

*イングリア人、またはイングリア・フィン人は、ロシアのイングリアに住むフィン人である。 ~中略~ 第二次世界大戦前後の強制域外追放によって、多くがソビエト連邦の別地域に移住させられた。

イングリア・フィン人 – Wikipedia

参考 PaluumuuttoMaahanmuuttovirasto

背景こそ違うものの、中国残留邦人やその子孫が日本へ帰ってくるイメージだろうか。

助手さん
助手さん

思ったより複雑でビックリ。

みんみ
みんみ

うん、歴史だね。

ちなみに、この里帰り帰国者のロシア人を知ってるよ。おじいちゃんがフィンランド人なんだって。

その他の母国語をもつ人々は?

エストニア語話者が多い理由

エストニア語を母国語にする人は、2004年にエストニアがEUに加盟してから急激に増えたそうだ。
もちろん、仕事や結婚で移住する人も多い。国が近く、言語的に共通点が多いのも影響しているだろう。

参考 エストニア語Wikipedia

ちなみに…
エストニア人に「エストニア人だからフィンランド語簡単でしょ?」と言うと、怒られます。

アラビア語話者が多い理由

アラビア語を母国語とする人は2008年ごろに急増。これは中東の情勢不安やシリアの戦争難民によるもの。

一時は私の住む小さな街にも、中東からの移民を多く見かけた。支援センターが日用品の寄付をつのっていたのを覚えている。

参考 アラビア語Wikipedia

参考 世界の難民、過去最高の6850万人日本経済新聞

ソマリ語話者が多い理由

ソマリ語を母国語とする人は1990年台から増加。1988年から続くソマリア内戦や治安の悪化、飢餓などで難民が大量に出たのが影響している。

参考 ソマリ語Wikipedia

1988年から続く内戦による劣悪な治安状況や慢性的に続く飢餓の影響で、大量の難民が発生しました。国外へ難民として逃れたソマリア人は約98万人存在し(2015年12月時点)、主にケニアなどの近隣諸国に逃れて生活を送っています。

ソマリアについて – 日本ソマリア青年機構(Japan Somalia Youth Organization)

助手さん
助手さん

思ったより複雑でビックリ。

みんみ
みんみ

うん、歴史だね。

ちなみに、この里帰り帰国者のロシア人を知ってるよ。おじいちゃんがフィンランド人なんだって。

助手さん
助手さん

世界情勢が深く絡んでいるんだね。

みんみ
みんみ

国際化と言っても、いろんな背景があるんだよ。

助手さん
助手さん

ところで、英語を母国語とする人については?

みんみ
みんみ

あ、気付いちゃった…?ごめん、ちょっとリサーチできなかった(泣)。ほら、英語話す人って、いっぱいいるじゃん…。

助手さん
助手さん

…。

以上!

少しでもフィンランドの移民や難民について興味を持ってもらえたら嬉しい。
今回はこのへんで。

ではまた!