環境問題に興味があるけど、私にできることはあるかな?
肉の消費を減らすことは確実に効果があるよ。
3月26日、フィンランドのWWF(世界自然保護基金)はサステイナブルな食事メニューを発表した。
※WWF=世界自然保護基金、パンダのマークの団体
人口増加に対応し、気候変動を抑え、生物の多様性を守るには、一ヶ月にどのような食事をするのが良いのか?というガイドラインだ。
人と環境、あらゆる生物に優しい食事、と言い換えることもできるだろう。
WWF:n suositus: Punaista lihaa korkeintaan kerran viikossa – WWF
これは「The EAT-Lancet Commission」のレポートをベースにしたもの。
下のリンクから英語版を見ることができる。
Food in the Anthropocene: the EAT–Lancet Commission on healthy diets from sustainable food systems
日本で環境と食の問題は「残さず食べる」「地産地消」レベルで終わってしまうものが多い。
しかし記事では、大きな食事内容の変更が提案されていた。
おもしろい内容だったので、部分的に紹介してみよう。
WWFがすすめる「サステイナブルな食事メニュー」記事の要約
以下は記事を翻訳、要約したものです。
現時点で、食料生産は世界でもっとも温室効果ガスを排出する源の一つ。
私たちのカーボンフットプリントの5分の1を占める。
地球の平均気温の上昇を1.5度内へ抑えるためには、野菜をベースにした食事へ移行しなければならない。
(世界の)農地の83%が動物性食品の生産に使われてる。
しかし動物由来の食事で得られるたんぱく質はたったの37%にすぎない*。
*農場、飼料用の農地はべらぼうに大きいのに、そこで育てた動物から取れるたんぱく質の量は少ない → 人間が直接野菜を食べた方が効率的で、自然に優しい、という意味だと思います
肉を使った食事の生産には、野菜料理の約4倍の土地がいる。
動物性食品の生産の増加は、食の安全を脅かす。
フィンランド人の肉の消費は2000年台に20%増加したが、これは劇的に減らさなければならない。
そのためには消費者の選択だけでなく、企業、業界、政治的な決定がいる。例えば、フィンランドでは農業に対して支援政策が行われており、植物性ミルクより多くのリソースを必要とし、環境への影響が何倍もある牛乳が、植物性ミルクに比べて安い。
WWFの推奨する気候に優しい食事とは:
- 野菜を中心としたもの
- 国産でサステイナブルにとられた魚
- 牛乳は1日あたり多くても1杯、それか数切れのチーズ
- ブロイラー(鶏肉)は1週間に数回
- 赤肉(牛肉、豚肉)は多くても週1回
- 卵は1ヶ月あたり多くても6個
*牛乳、肉の詳しい量は書かれていませんでした
気候変動を抑える食事 → 動物性食品は大幅に減らす必要がある
記事でおもしろいのは具体的な食事内容だろう。
- ブロイラー(鶏肉)は1週間に数回
- 赤肉(牛肉、豚肉など)は多くても週1回
- 卵は1ヶ月あたり多くても6個
この量はかなり少なく感じるのではないだろうか。
さらに「多くても」と書いてあるのも見逃せない。
これは、できればもっと少ない方が良いですよ、という意味になる。
日本ではあまり報道されないが、環境保護のために菜食はかなり有効、というが世界の常識になりつつある。
フィンランドは農業支援をしている
ところで驚いたのは、フィンランドが農業(畜産含む)に支援をしていたこと。
フィンランドに来て、牛乳や卵が安いことに驚いたが、税金が使われていたのね…。
しかし、今後のことを考えたら、この支援は環境に優しい植物性の食品にまわされるべきだろう。
フェイクミートなどの値段が下がれば、菜食へのハードルも下がるはずだ。
で、WWFジャパンは?
ところで、WWFジャパンがどのようにこの情報を扱っているか見てみた。
しかし、フィンランドに特化した情報なのか、WWFジャパンでは一切の扱いがなかった。
それどころか、『アースバーガー』なる牛肉を使ったハンバーガーを宣伝していた。
『アースバーガー』はこの食に関するガイドラインが出る前に始まったキャンペーンなので、時差と言えるかもしれないが、WWFのメッセージに一貫性が感じられないのが残念だ。
また、牛肉は環境に悪い食べ物の一つとして前から知られている。
英語のWWFのページでは、(サステイナブルな方法で作られた牛肉は良いとしながらも)牛肉が環境へ与える影響をバッチリ説明しているので「なぜ?」と思ってしまう。
『アースバーガー』は、WWFジャパンの信頼を損なうものではないだろうか。
どうせなら植物性のフェイクミートに親しんでもらう活動にすれば良いのに…。
その方が、環境にはずっと優しいよ。
WWFジャパンのイメージが、これから↓
これになった↓
情報は日本語メディアだけに頼ってはいけない
それにしても、このWWFの件もしかり、1つの言語で正確な情報を得るのに限界を感じる今日このごろだ。
特に日本語でヴィーガニズムについて書かれた記事を見ると、勝手な解釈が加わっていたり、環境問題に関する部分がスッポリ抜けていてビックリすることがある。
逆にフィンランドの日本に関する報道に、「ん?」と感じることもある。
2言語で読んで、やっとニュートラルな情報を得られる感じ。
面倒でも、気になるニュースは他の言語でも読むことをおすすめする。
肉の消費ちなみに、今回のガイドラインで私の食事内容の変更はナシです。肉も卵も食べないからね。ヴィーガン最強!
今回はこのへんで。
ではまた!