日本の「国際」がズレてると実感した思い出【世界へはばたけ?】

東京オリンピックも近づき、日本のおもてなし準備も佳境に入ったのではないだろうか。

しかしツイッターで「アメリカ人の友人が羽田空港で財布を落としたが、英語で対応できる職員がいなかった。しかもアメリカへの郵送にも対応してくれなかった。」という話を見かけて笑ってしまった。

そういえば、東京オリンピック誘致の際に「日本では財布を落としても、高い確率で戻ってきます」とアピールしていた記憶がある。
確かに、拾った財布を届ける人は多いが、「日本では財布を落としても、高い確率で戻ってきます、国内なら」と言い換えねばならないだろう。

この例にもれず、日本の言う「国際化」はズレてる。。。と思うことがよくある。

そこで今回は、5年ほど前に体験した「国際、国際と言っていたのに、あんまり国際じゃなかった体験」をシェアしよう。

世界にはばたけ!

5年ほど前、フィンランドで進学を考えていた私は、願書の準備をしていた。
その際、高校の卒業証明書と単位修得証明書がいることがわかり母校にメールをすることになった

メールには次のことを書いた。

  • 今フィンランドにいます
  • 英語の卒業証明書と単位修得証明書がいるので郵送お願いできますか
  • 発行手数料や送料の払い方を教えください

世界にはばたけ?

friends

↑留学ってこういうイメージあるよね

ところで、私の高校のモットーは「世界へはばたけ」だった。
国際社会で活躍できる人材を育てる!と言っては、交換留学や英語のディベート大会など、がんばって国際イベントをやっていた。

学期はじめの集会では、必ず海外で活躍する卒業生の話が添えられた。
そして「世界にはばたけ!日本を飛び出せ!」と話を締めくくるのがお決まりだった。

(今ちらっと母校のホームページを見たら、相変わらず「世界」の文字が並べられていた笑)

 

さて、高校からはすぐ返信が来た。

しかしそこに書かれていたのは「海外へ証明書の郵送は行っておりません」だった。

 

 

…え?

えぇーーー!?

 

あれだけ「世界へ!日本を飛び出せ!」と言っていた学校が、海外へ郵送しない?
先生方の言っていた通り、世界にはばたこうとしているんですよ?
あー、はー、そうですか…。まあ、そういうこともあるのかな…。

人は飛び出していいけど、卒業証明書は世界へ飛び出させないことが判明した。

そして、その後に続く文章に目を疑った。

「卒業証明書は英語版がありますが、単位修得証明書は日本語のみの発行となっております

 

国際はどこへ?
世界、世界と言っていたのに、対応がほとんど国内向けだったのだ。

世界にはばたけ(自力で)!

まぁ、海外へ郵送したくない高校の気持ちも解らなくはない。
紛失するかもしれないし、国ごとに違う郵便制度に一々対応していられないだろう。

でも、海外の大学進学について説明会もしていたのだから、単位修得証明書の英語版があっても良いんじゃないの?と思ってしまった。

結局、証明書は実家に送ってもらい、親に転送を頼むことになった。
(親がいなかったらどうなっていたのだろう…恐ろしい)

調べてみると、英文の単位修得証明書がない学校も多いことが解った。
自分がワガママだった?とちょっと反省した。

 

数日後、親から送られてきた書類が届いた。

中身を確認したら、「は?」と声がでた。

単位修得証明書に書かれていたのが「履修済み 数学: 数学I…4 国語: 現代国語…3 英語: 英語Ⅰ…4」と、この上なくシンプルな内容だったのだ。

この内容なら翻訳版、作ってくれても良さそうだけど…。
単位修得証明書を英文化できない裏事情でもあるのか?

その後、単位修得証明書は翻訳に出したのだが150ユーロかかった(自分での翻訳は不可だった)。

おもてなしとは違うが、日本の国際ってズレてるわ…と思った瞬間であった。

ではまた!

 

フィンランドに高校留学した方のお話。進路に迷ってる学生さんにおすすめ。